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街話§神保巷塵[107]馴染みの店が閉まること [神保町]

[承前]

神保町で宮仕えをしていた37年半の間、多くの飲食店のお世話になったが、気がつくと行きつけの店が閉まっていることなど珍しくはなかった。

何の予告もなく、月末とかのタイミングで閉じてしまい、少しごぶさたして久々に出かけてみると“閉店のお知らせ”が貼ってあって、眼にした瞬間にうろたえてしまうことも珍しくなく、なぜ気がつかなかったのかと歯ぎしりすることになるのである。

一番にショックだったのは、神保町すぐ隣の小川町にあった居酒屋“鶴八”が閉店したことだった。気がついたのは2006年になってすぐあたりだから、2005年には閉店していたのだろう。

劇込みすることもなく、客入りもほどほどのカウンターでゆるゆると桝酒を呑んで、気の利いた酒肴を楽しめた店だった。そんな店がなくなってしまうのは本当に痛恨事だったのである。

その後、2014年夏には、神保町から少し離れた神楽坂の割烹“渡津海”が閉店……定年退職するまで通えると思っていた店だったのに、定年まで一年を残しての閉店だった。

そうして閉店したほとんどが個人営業の店で、チェーン系など片手にも満たない。そうして定年退職した後の神保町は、雨後の筍のごとくラーメン屋があちこちで開店しては閉店を繰り返す無限ループが起きているのだ。
                               [続く]

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