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結話§組合の執行委員を務めしことの件 [日本]

宮仕えしていた会社には、当然のように労働組合が組織されていた。何かと組合を悪者扱いする向きがいるようだが、それは政権と財界によるプロパガンダが奏功しているからで、単純に考えても、もう一方の意見を無視するようなバランスでは健全な労働環境など生まれるはずなどない。

というわけで、御用組合というほどのべったりではなかったし、当然ながら是々非々で交渉に臨んでいたし、春夏闘や冬闘の時には組合総会を開いて、きちんとスト権を確立させたりもしていた。

そんな組合の執行委員を務めたことがある。四十代はじめで任期は一年間。賃上げやボーナスの増額要求、そして労働環境の整備などが、会社との主な交渉事で、我々のような下っ端は主要な団体交渉には出席するが、週ごとの事務折衝は、委員長と書記長の幹部が行っている。

社員は自動的に組合員になる“ユニオンショップ”制で、次長以上になると組合員ではなくなる。そして会社は組合の同意がない限り、一方的に社員を解雇することはできない。そういう形で雇用が保証されてもいるのだ。

ただ、自分が執行委員をしている最中に、解雇事案が会社から提示されてしまったのだ。しかも37年半の在職中ただ一件の解雇が、よりによって執行委員をしていた時だったのである。

確か、2日くらいは鳩首協議して解雇やむなしの結論を出したのだったが、人一人の生殺与奪を委ねられたのは後にも先にもこの一度だけだった。

とにかく日本では、組合に対する理解度が明らかに遅れていると感じる。いかにして組合が必要かを周知させなければ、日本社会を支えている働き手たちの人権は守られないではないか。

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