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納話§定年退職の頃 [私事]

定年退職から8年が過ぎた。来年の9月には丸9年となる。何というスピードで8年が過ぎていってしまったことか……しかも、そのうちの4年は新型コロナ禍という“空白”のような時ではなかったか。

8年前の9月17日は60歳満了の日。会社規定の定年退職は60歳満了日とされている。あと数年という頃から意識し始め、定年退職一年前、還暦を迎えた頃からあれやこれや考えるようになった。

退職を半年後に控えた頃だったか、会社から何人かの当該社員を集めて説明会が行われ、その席で年金のことや健康保険継続などなど退職後にするべき様々な手続きについてのレクチャーを受けたのだ。

淡々とした会社生活も終わりに近づきつつある中で、身の処し方で心したこととして、実に何とも滑稽なことだが……電車内で立っている時は、両手で吊り革を持つように気をつけたのである。理由は言うまでもないことで、万一あらぬ疑いをかけられたりしたら、37年の月日がすべて台無しになってしまうではないか。

行きはラッシュアワーを過ぎているから、常に座ることができるが、帰りについては込み合う時に乗ることがほとんどなので用心したのだった。思えば他愛ない笑い話ではあるが、半分本気で励行していたのである。

そうして定年退職の当日は雨。37年半前の入社の日も雨だった。さらに社長の姓が(別人だが)同じという符合。午前中に役員室に招き入れられ、退職辞令を受け取り、そんな符合を織り交ぜた他愛ない世間話が終われば、晴れて御役御免。職場に戻ってもやることなどなく、挨拶回りをして時間を潰し、退社時刻の17時半には会社に別れを告げ、向かうはもちろんランチョンだ!

いつもと同じ席に座り「自分お疲れ!」と独り乾杯をしたのだった。

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