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余話§新春浅草歌舞伎第一部~米吉~ [歌舞伎]

新春浅草歌舞伎三日目第一部に行ってきた。

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巳之助のお年玉(年始ご挨拶)に始まり『本朝廿四孝~十種香~』から『与話情浮名横櫛~源氏店~』と続き、最後は『神楽諷雲井曲毬~どんつく~』で賑やかに終わる。

第一部は米吉奮闘公演、十種香の八重垣姫、源氏店のお富、どんつくで芸者と舞台に立った。

さて十種香。何をやっているのかな?……という印象である。そもそも筋らしい筋がなく“しどころ”が判然としない芝居であるがゆえに。手探りで務めている感が強く、全体が平板な印象である。

そんな中にあって、橋之助の勝頼(花作り蓑作)が、はんなりとした白塗りで存在感を感じさせた。米吉の八重垣姫は、ひたすら“勝頼様恋しや”の舞台というところ。歌昇の謙信も大きさを見せてくれた。

そして源氏店。米吉のお富が八重垣姫から打って変わって、蓮っ葉で投げやりなお富を演じていたが、隼人の与三郎はもっと頑張ってほしかった。我々の直近の記憶の中にあるのは、仁左衛門の与三郎。仁左衛門の台詞回りを出そうと奮闘するが、被り物の手拭いを取って、あの名台詞で力尽きてしまったのだ。歩留まりはまあ……2割いっていただろうか。松也の蝙蝠安は台詞が酔っぱらいのようなのと、着物がおろし立てのようで妙にきれいに見えてしまって。ちょっとニンではなさそう。

そこに圧倒的な存在感を示したのが“人間国宝”歌六の多左衛門とベテラン橘太郎の番頭藤八。あたかも彼らだけで舞台が動いているような芝居を見せていたというのは大げさかもしれないが。高校ラグビーの選手に一人交じったオールブラックスの選手……という雰囲気を感じてしまった。

最後のどんつくは、年始ご挨拶で巳之助が「浅草公会堂4階北側の窓から見える浅草寺を背景に」というとおりで、いかにもなクールダウン。歌昇が器用に太神楽の花籠鞠(どんつく)の球を操っていていたのには驚いたのだ。

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今回で松也、歌昇、巳之助、新悟、種之助、米吉、隼人の7人は卒業。橋之助と莟玉は残って、来年は新しい座組での浅草歌舞伎となる。7人にとっては“卒業試験”となったわけだが……さて?

14時15分過ぎに終演。帰り道、浅草公会堂裏にある佃煮屋で3品ほど土産に買い、地下鉄を乗り継いで、17時前には帰宅。

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