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悔話§勘三郎没して十一年 [歌舞伎]

十八世中村勘三郎は2012年12月5日に逝去した。今年で没して11年……来年はもう十三回忌となるが、何とまあ早いことかと思う。

今さらながら、今も存命であったらどんな役者になっていただろうか。間もなく七十となる勘三郎の舞台は、おそらく晩年近くまでのエネルギッシュな舞台ではないだろうが、それでも自在さはより増して、刺激的な芝居を見せてくれていることは間違いない。

菊五郎、吉右衛門、仁左衛門、白鸚たちに次ぐ次世代の大看板として、歌舞伎界をがっちり背負って大黒柱、屋台骨を支えていたはずが、勘三郎ばかりか三津五郎まで別の世界に行ってしまっては、一気に手薄になってしまったことがどれほどの痛恨だったか、歌舞伎歴の浅い我々のような人間でも理解できることだ。

そして、死んだ子の年を数えても詮のないことは百も千も承知しているが、彼ら二人が現役でバリバリ舞台に立っていたら、今のような歌舞伎界が低空飛行するようなこともなかっただろう。

人間は順番どおりに天に召されていってほしいと切に願っているのは、そうすることで世代交代がしかるべく行われるからだと思っているからである。

毎年、この日になると同じ繰り言を書いているわけだが、いつも合わせて書いているのは同じ日に亡くなったモーツァルト。没して232年が過ぎた。

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