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播話§秀山祭九月大歌舞伎昼の部~米吉~ [歌舞伎]

三連休最終日、秀山祭昼の部を観てきた。この日も世間はとんでもない残暑に見舞われ、表を歩くのが本当にしんどい状況だった。

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お目当ては一本目の『祇園祭礼信仰記-金閣寺』で、雪姫が米吉と児太郎のダブル配役だが、この日は米吉の雪姫。若手女形の中では群を抜いて“かわいい”役者である。ただ、雪姫は“人妻”である。そうすると、見た目があまりにも娘と見えてしまうが、それははまあしかたがない。それはそれとして、芝居はきっちり丁寧に務めている。

歌六が国崩しの悪役である松永大膳をふてぶてしく務め、舞台を締めた。それに相対する勘九郎の此下東吉は、個人的には見た目爽やかと感じたのは。松永大膳との対比を考えてのことかとも考えたが、東吉の策略からすれば、もう少しアクのようなものが表に出てもよかったかもしれない。

菊之助が雪姫の夫直信を……後ろ手に縛られて、舞台上手から出て花道へと引っ込むだけのお役。福助の慶寿院尼、歌昇の十河軍平。

『金閣寺』は、過去に何回か観ているが、1時間半の芝居の中にいくつもの要素が詰め込まれていて筋を掴めずにきたが、今回ようやくあれやこれやが頭に入ってきてくれた。

二本目『土蜘』は、幸四郎の僧智籌実は土蜘の精、又五郎の頼光などなど。 『金閣寺』を堪能したからか、いささか温い舞台に、昼食直後とあって眠くなることしばし。幸四郎は凄味のないままで、ひと通り。

最後に『二条城の清正』が、20分ほどの舞台。白鸚の清正、染五郎の秀頼。船の上で清正が“思い出話”のようなものを語る“だけ”の不思議な芝居。これまで、白鸚の変な口跡に頭を抱えて敬遠していたが、なぜかこの日は、きちんと台詞が聞えてきて、普通にやっていれば、きちんと聞こえるのだと思った。一か月前に81歳になったばかりの白鸚はさすがに衰えている。

最後に、1階ロビーに飾られていた吉右衛門三回忌の設えを貼っておく。

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