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倫話§サー・サイモン&ロンドン交響楽団[ミューザ] [クラシック]

ミューザ川崎でサー・サイモン・ラトル率いるロンドン交響楽団を聴いてきた。14時開演、16時終演予定が30分も伸びるという……充実しつつ疲れた。ラトルがロンドン交響楽団音楽監督最後の日本ツアーである。

会場は、ラトルお気に入りにしてイチ推しのミューザ川崎。

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ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死
リヒャルト・シュトラウス:オーボエ協奏曲
(オーボエ:ユリアーナ・コッホ)

[ソリスト・アンコール]
ブリテン:オヴィディウスによる6つの変容から Ⅰ.パン

**********************休憩**********************

エルガー:交響曲第2番 Es-Dur Op.63

[アンコール]
ディーリアス:歌劇『フェニモアとゲルダ』から間奏曲

色彩感とか色気には欠けるが、癖がなく堅実で重心の低いオーケストラだと感じた。勝手な感想だが“放送交響楽団”的な響きとでも言えるだろうか。

一曲目:『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死。重め、遅めのテンポで淡々と音楽が進んでいく。久々に聴くワーグナーの生の音を、客席で楽劇の場面場面を思い描きながら聴いていた。そうして、やはり全幕を観たくなる自分がいた。

二曲目:オーボエ協奏曲。これまた、シュトラウスの音楽がぎっちりと凝縮されていて、諧謔に溢れた音楽を、独奏のユリアーナ・コッホがテクニックを駆使して吹き上げてくれた。時に『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタが歌う長大なアリアを彷彿とさせるような凝った技巧で耳を愉しませてくれたのだ。

ソリストの洒脱なアンコールまでで何と一時間が経過。しかもメインプロは一時間かかるエルガーである……休憩は20分。

さて、エルガーの第2交響曲である。我が家にあった録音を2回か3回か、漫然と聴いたが、何とも捉えどころのない曲と感じた。4楽章にはなっているけれど、いわゆる常識的な交響曲のような楽章ごとの関連性は希薄で、楽章の一つ一つが独立した音楽と感じたのである。

ラトルとロンドン交響楽団は、エルガーの分厚い音楽を、音が濁ることなく聴かせてくれた。時に、リヒャルト・シュトラウス的な音楽かと感じる瞬間もあったが、エルガーとシュトラウスはいい関係にあったとは後で知った。

個人的には、取り留めのない一時間を……もちろん充実はしていたのだが、本プロが終わって時計を見ればとっくに16時を過ぎ、演奏されたアンコールがまたディーリアスの儚くデリケートな間奏曲。しっとりとした音楽に癒され、ラトルもまた“一般参賀”まで呼び戻されたのである。

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