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世話§九月大歌舞伎第三部~エクモカーと四谷怪談~ [歌舞伎]

コロナ禍にあって、可能な限り第三者との接触を避けるべく、歌舞伎座の往復に自動車を走らせている。往復の交通費と高速代はトントンで駐車料金の分だけ足が出る。

というわけで、この日も車で歌舞伎座に向かっていた。初台出口手前に差しかかったあたりで、下り車線を赤色灯点滅の車が見えた。救急車かと思ったら“エクモカー”だった。

重症のコロナ感染者をエクモを装着したまま車内で必要な処置を施しつつ、府中の都立多摩総合医療センターに移送する途中だったと思われる。いかに重症患者が増えているか、その現実を眼にして慄然としたのである。そんな“今”を見つつ歌舞伎座へ。

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仁左衛門の田宮伊右衛門、玉三郎のお岩とお花。4月と6月の『桜姫』に続いて鶴屋南北の舞台。かつての孝玉コンビが絶好調で、もちろんチケットは千秋楽まで売り切れ。

休憩含めて2時間10分に収めるため、地獄宿をはじめとしてかなり刈り込んだ舞台で、観始めは頭の中が混乱しているのがわかった。南北の本の経緯がかなり犠牲になったとは感じる。

ではあるが、相変わらず仁左衛門の“悪”がすばらしく、玉三郎のお岩の薄幸さとの対比が際立って、短縮版ながら中身の濃い舞台を堪能した。それにしても、エクモカーが走り回る“今”と、南北の“世界”を短い時間の間に見るとは。

終演は20時10分。駐車場を出て自宅に着くまで一時間足らずだったのはありがたい。

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