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謔話§一日一句~温まって快眠~ [俳句]

季語は・・・冬の夜

穏やかに ココアは熱く 冬の夜

【去年の今日】運話§降りる降りない~挙動不審~
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呟話§一言つぶやき~また4年・・・・・・~ [つぶやき]

あの、人を喰った品のないアクションだったり、ねっとりした話し方が……

……虫唾が走るほど嫌いでならず、おまけにやることなすこと嘘まみれのような人間が大統領になって、アメリカだけでなく世界を混乱に巻き込むのは間違いない、そんな4年間を耐えることができるだろうかと、既にして不安という言葉では言い表せないほどの不快な感覚が体中に充満しているのだ。

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連話§ワタシの酒肴[193]ローストビーフ [酒肴]

[承前]

時折だが、ローストビーフを張り込むことがある。店によっては切り落としをパックしてお得に売られていたりするので、それを狙って買うのである。

グレイビーソースにホースラディッシュで食べるのが一般的だが、日本人としては山葵醤油でいただくのがよろしい。むしろ、グレイビーソースよりも合うような気がするのだ。

ずいぶん前、ドイツビールを呑ませる店で“たまにしか入ってこないの”と言われて、神戸牛を生のまま細かく叩いたやつに山葵醤油を垂らしてサンドイッチにしたのを食べさせてくれたことがあって、まさに絶品なのだった。

それはローストビーフとは違うけれど、でもレアなローストビーフを叩いてというのもありではと思っている。

間もなく正月、以前はお約束のようにローストビーフをおせち料理の一員として買い求めていたが、このところご無沙汰である。せっかく思い出したのだから、年末に調達してやろうではないか。
                               [続く]

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謔話§一日一句~今年も心ばかり~ [俳句]

季語は・・・社会鍋

地下道に 喇叭(ラッパ)鄙びて 社会鍋

【去年の今日】悔話§サンゴリアス対ブレイブルーパス[味スタ]
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狡話§自分で確かめる [日本]

このところ、クレジットカードや銀行口座、通信販売にまつわるスパムメイルが頻繁に届いている。

自分が所有したり登録しているクレカや銀行口座だったら紛らわしいが、自分が口座を持っていない銀行からの問い合わせがやたらやって来るのには、さすがに馬鹿じゃないのと一刀両断で削除してしまう。

もちろん、所有口座についても登録していないメイルアドレスに届くやつは即座にスパム認定できるのだ。

そして、厳に戒めていることは、届いたメイルに記載されているリンクは絶対にクリックせず、必要があればそれぞれの本体ホームページからログインするように心がけている。

まずもって、そのようなメイルが届いても決してあわててはならない。泡を喰って、メイルにあるリンクをクリックしたらどのような仕儀に相成るか、やったことがないのでわからないが、甚大な被害が降りかかることは間違いない。

これはたぶん“振り込め詐欺”の電話に対する対応と重なる部分がありそうで、要するに掛かってきた電話をそのまま鵜呑みにして信じ込まず、まずは息子や警察官、銀行員と称する人間に対して、本人かどうか正しく確認をするべきものなのである。

そうして今の状況を眺めるなら、手口は相当に稚拙だとわかるが、この先にどのようなトラップが待ち構えているか……ゆめゆめ油断してはならない。

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赤話§十二月歌舞伎~加賀鳶?~ [歌舞伎]

我が家、2024年の文化活動締めは十二月大歌舞伎第二部だった。

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三部制ゆえ15時開演、17時半終演という気軽さ。二本立ての一本目は黙阿弥の盲長屋梅加賀鳶『加賀鳶』が一時間半ちょっとと長めの芝居。

まずは、加賀藩お抱えの鳶衆(加賀鳶)勢揃いで喧嘩に向かうという短い場面があって、鳶の出番は終了……え?

で、その後は按摩道元の悪事話で最後まで。こんな芝居を観たことがあったかと調べてみれば、2回くらいは観ていたが、まったく記憶に残っていないとは何ともはやである。

今回は、松緑の天神町梅吉/竹垣道玄(二役)、勘九郎の日蔭町松蔵という顔合わせだったが、松緑の道玄が、本人は色々と工夫しているのだろうが、悪の凄みもそれと裏腹の愛敬とどちらも中途半端な芝居。その分だけ、勘九郎の凛とした折り目正しく辛口な松蔵が際立ってしまった。

祖父である二代目松緑の持ち役だから、ここは踏ん張って自分の役になるように形作っていってもらいたい。

さて七之助の『鷺娘』は……玉三郎で観て以来二度目となるが、誰がやっても、舞台上を漂うばかりでしかないということか、世間的には“有名”と言われている演目だが、実際に観るならば、それほどおもしろいと感じられないのである(個人の感想です

昼を早めに食べていたものだから、終演のタイミングで腹が減った。さくっと食べて帰ろうと、何度か使っている歌舞伎座直近のこの店へ。ビールに焼酎のお湯割りを呑みつつ、栃尾揚げに炙りたらこをつまみ、締めは焼き鮭でご飯をいただいて帰宅したのだ。

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謔話§一日一句~はかなくも~ [俳句]

季語は・・・初氷

あっけなく 初氷割れ 融けて水

【去年の今日】堵話§卒業単位と就職内定
タグ:俳句 初氷
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梯話§4階に住んでいた時は [日常]

結婚して最初に暮らし始めたのは、5階建てマンションの4階だった。

公団や公社の5階建てマンションにはエレベーターは付いていなかったが、まだ二十代とまあまあ元気だったので、普通に苦もなく上がり下りすることができた。まあそんなものだくらいに思っていたのである。

だが、4階に住んでいた最後の頃になると、3階までは軽く上れるのだが、4階までもう1フロアとなると、特に買い物で荷物を持った時は、ちょっとしんどいぞと……それで3階の踊り場で一息入れてみたいなことになりつつあった。

その後、4階よりも低い階に引っ越したのだが、階段の上がり下りがそれほど苦にならないことに気がついたのだ。

この先、少しずつでも我が身に老化が進んでいくことは間違いなく、だから低いフロアに引っ越したのは正解だったのではないか。

まあそれでも階段を上がり下りする生活は続いているのだが。

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銀話§『ばらの騎士』東京交響楽団[ミューザ] [オペラ]

第一幕の前奏曲が終わりかかるところで6台のコントラバスがピチカートで“ブン!”と一発鳴らしたところで涙腺が緩んでしまった。

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旅行先のウィーン、ミュンヘン、ドレスデン、ベルリン、そして国内では、1994年、あのクライバー&ウィーン国立歌劇場の伝説の公演と回数を重ね、我が人生も終わりに近づきつつある古稀の年に聴いた『ばらの騎士』の見事だったこと。

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

演出監修:サー・トーマス・アレン

元帥夫人:ミア・パーション
オクタヴィアン:カトリオーナ・モリソン
ゾフィー:エルザ・ブノワ
オックス男爵:アルベルト・ペーゼンドルファー
ファーニナル:マルクス・アイヒェ
マリアンネ/帽子屋:渡邊仁美
ヴァルツァッキ:澤武紀行
アンニーナ:中島郁子
警部/公証人:河野鉄平
元帥夫人家執事/料理屋の主人:髙梨英次郎
テノール歌手:村上公太
動物売り/ファーニナル家執事:下村将太
合唱:二期会合唱団

これほどの演奏が2回の演奏会だけで終わってしまうことの虚しさのようなものを感じずにはいられない。

歌手陣も悪くはなかったのだが、第一幕については、我々が聴いた4階席には声が飛んでこず、オーケストラに塞がれてしまった……二幕、三幕と進むにつれてオケを突き抜けて声が届くようになってくれた。印象に残ったのはゾフィーのエルザ・ブノワの特に高音の音程の確かさ、ファニナルのマルクス・アイヒェの演劇的な歌い回し。

だが、今公演の最大のMVPが東京交響楽団であることは言うまでもない。そして驚いたのは第三幕前奏曲のクォリティの高かったこと、何の不安も感じさせず、厄介で細かい音楽をニュアンス豊富に、しかも危なげなく仕上げて聴かせてくれたのだ。

多くの人が“1994年の『ばらの騎士』の呪縛”について口にするのだが。あれはもう、どうだこうだと論評するような類の公演ではなく、我々が勝手に呪縛されても詮のないことではないかと思うようになった。そして“あれ”はもう別世界の存在なのであろう。

そうであるがゆえに、あれから30年経った今、我々はまた“一つ”のかけがえない『ばらの騎士』を手に入れたということなのか。

↓カーテンコールで“子どもたち”にちょっかい出されているオックス
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謔話§一日一句~冬へ~ [俳句]

季語は・・・黄落(こうらく)

落葉松の 並木一切 黄落す

【去年の今日】週話§日曜枯寂~演歌でえーんか?~
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心話§もはや日本は安全な国とは [日本]

ついこの間も書いていると思うが、闇バイトで集められた素人が闇雲に押し入っては強盗を働き、住人を手にかけている事件が激増しているように見える。

そうした素人たちは、犯罪を犯すという意味を理解していないという輩が少なからずいるから、相当な無茶をしでかし、逮捕されたところで“罪”の意味を知ることになるようだ。

いわゆる“悪党”は、それが悪事だとわかっているから、よほどのことでもない限り無茶はせず、リスクを恐れて深追いはしない。

闇バイトの素人は、指示役からの指示のままに事を運ぶから、リスクのことなど考えもしないから始末が悪く、だから手口も乱暴で荒っぽいのである。

こうして、為そうとしていくことが罪だと理解していない人間が増えている日本をもはや安全な国だと無防備に暮らすことなどはできなくなって、世間では防犯グッズの売れ行きがよさそうだ。

我が家もリフォームを進めていく中で、映像付きのドアホンや、ツーロックのドア、防犯ガラスなどなどと、考えられる対策は講じているつもりだが、この先さらに防犯のバージョンアップをするべく、鋭意アイデアを練っているところである。

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便話§現金と電子マネー~大雑把に六:四?~ [電子マネー]

何度か書いているが、日常使っている電子マネーは交通系カードとスーパーマーケットの2種類。それとクレジットカードが入ってくる。仮に1万円があるとしたら、そのうち現金が6千円で電子マネーとクレカを合わせて4千円……それくらいの比率で利用し分けているのではないだろうか。

相変わらず現金の利用率が高いが、少しずつ電子マネーとクレジットカードが進出しているように感じている。比率を上げているのはインターネットの決済がほとんどクレジットカードで、特にコンサート、歌舞伎、スポーツのチケットは、そのすべてがネット予約だから、そう考えると現金払いの比率はもっと低くなるような気がする。

これまで、そんな事態に遭遇したことはないが、電子マネーの決済システムが故障でもしていたらと考えれば、無謀にも現金を持ち歩かないなどとは考えられず、財布の中にいくばくかの額を忍ばせておこうと考えているのだ。

現金を持ち歩かなくなるようになっていくとはいっても、電子マネーやクレジットカードを紛失したり盗まれたりと、いずれにしてもリスクが変わるようなことはない。

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謔話§一日一句~病木も増えて~ [俳句]

季語は・・・落ち葉

積もる落ち葉 もはや団地は 高齢化

【去年の今日】週話§土曜枯寂~洋食クルミ発見!~
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行話§鱖魚群~七十二候~大雪 [七十二候]

大雪の末候“鱖魚群(さけのうおむらがる)”である。

今年もあと半月。冬らしい寒さに日々となって、年末感満載であることか。

やるべき年末の家事を粛々と進行させつつ、いつもよりは多忙と感じられる年末の風景は、古稀を迎えて初の入院&手術をしたり、ラグビーリーグワンが開幕。そして、歌舞伎にクラシックのコンサートとまあ賑やかなことだ。

これらのスケジュールをきちんとこなし、我が家は大晦日へと突入していくのである。

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連話§ワタシの酒肴[192]厚揚げの小ネタ [酒肴]

[承前]

元より豆腐とその仲間が好きなことは、今更ながら言うまでもないことだ。そして厚揚げである。むっちりとした食感は、佳き酒肴としての条件を兼ね備えていると思う。

おいしい食べ方の最上位は、焼いた熱々をいただくことだが、この焼き方が難しい。表面が焼き上がってと思っても、芯まで熱くなっていないことのほうが多く、その塩梅のつけ方が難しいのである。

……と思っていたら、あっさり解決する方法を目撃した。それはもう40年前のこと、当時住んでいた最寄駅近くにあった居酒屋で厚揚げ焼を注文した。

あっ!と思ったのは次の瞬間、手に取った厚揚げを電子レンジに放り込んだことで、そこですべてが氷解した。そうして中まで熱くしたやつを、焼き色がつくまで網で焼けば出来上がりではないか。

なるほど“文明の利器”も使いようで、そうしてやれば焼き色と中まで熱くしたいという問題が解決された瞬間だった。

そうしてカウンターに届いた熱々厚揚げに感心しつつ口に運んだのである。
                               [続く]

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謔話§一日一句~散歩していても~ [俳句]

季語は・・・冬凪(なぎ)

冬凪や スマホに地震 アラートが

【去年の今日】彩話§日本の伝統色~色見本帳~
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告話§ビッグイシュー493号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー493号は12月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部500円。250円が販売員の収入に。小さな私の習慣が表紙。

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特集 小さな私の習慣

あなたは、何か小さな習慣をもっていらっしゃいますか?

そうとは意識していなくとも、たとえば、朝起きた時から就寝までなんとなく、毎日、毎週、毎月、あるいは季節ごとや、1年ごとに、決まってされることはありませんか?

それは、衣食住を楽しむ習慣だったり、ちょっと元気になるための心身のストレッチだったり、心を空白にしたり静めたり、決まった場所に行ったり、○○記念日の決めごとだったり、あるいは、イマジネーションの世界で遊ぶことだったり……。また、コロナ禍以降や、最近になって 新たに始められたことがあるかもしれません。

2024年の終わり、10人の方に「小さな私の習慣」について、お聞きしました。

スペシャルインタビュー ブルース・スプリングスティーン

リレーインタビュー  河村康輔(コラージュアーティスト)

[国際記事]
タジキスタン パミール高原で生きる人々に医療提供

[国内記事]
ドキュメンタリーの勢いが止まらない

[連載記事]
ふくしまから アーサー・ビナードさんと被災地を歩き、詩作

浜矩子の新ストリート・エコノミクス 天使に生まれ変わる悪魔

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
        タイプの違う夫と、どう合わせたら?☆崩し豆腐のチゲ☆

宇宙・地球・人間 池内了の市民科学メガネ ゴッホの「星月夜」テクニック

販売者に会いにゆく 『ドラウセンザイター』 リンダ・レニングス

表現する人 漆という生き物が吹き込む生命力 加藤萌
                              [その他]

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週話§日曜流転~メモ増加中~ [私事]

我が夫婦の間にメモが増えている。

単なる物忘れか、老人に特有の症状が進行しつつあるか、とにかくも家事を進行させるためにはメモ書きが必須になった高齢者世帯なのだ。

メモの最初はまず、スーパーマーケットでの買い物に始まった。夫婦二人で買い物をしていた最初はメモなど持つことなく買い物をしていたのだが、ある時、買うべき肝腎な商品を買い漏らしてしまい、二人して自分たちを呪ったのだった。

定年退職後は、夫一人でのスーパー・ショッピングの機会が増え、3品程度だったらまだしも5品、6品の買い物では覚えきれなくなって、メモ持参での買い物が定着した。メモを書いて持参しても、迂闊なことに買い漏らしが出てくるという情けなさに、とにかくチェックだと、レジに並ぶ直前に籠の中身とメモを見比べて漏れがないようにと心がけている……つもり。

そして今、メモのジャンルは順調に増えてきている。最近は夕食の献立を簡単にメモしておいたり、とにかく忘れるものだという前提でメモを活用しているが、これでメモ書きすることを忘れてしまったら……。

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謔話§一日一句~最高速度270km/h~ [俳句]

季語は・・・枯野

大枯野 のぞみ疾走 して往きぬ

【去年の今日】街話§神保巷塵[106]会社の同期会があった
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週話§土曜流転~国立劇場今だ・・・・・・~ [伝統芸能]

去年10月に、建て替えすると閉場した国立劇場が、何の目途も立っていないまま、あっという間に一年を超えて雨ざらし状態にある。

日頃から日本の伝統をと云々していた政権が、何の策も講じないままに放置を続けていて何の痛痒も感じないということか。

皇居に面した超一等地に建つ校倉造を模した瀟洒な建物は、この先どうなるのか……関係者ならずとももどかしい思いを感じ続けているのだ。

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高層ビル化して上階にはホテルを開業させるとかぶち上げていたが、そんな構想も入札の不調続きで、計画の見直しを迫られてしまった。そうであれば一気に発想を変えて、現在ある建物を活かしつつ、内部を耐震補強含めての大改装工事をすればいいではないか。それだったら応札する企業が出てくるかもしれない。

多くの伝統芸能好きは、今の国立劇場の佇まいを愛しているのだから、詰まらない面子や利権目当ては潔く引っ込めて、先へ先へと前進してください。

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謔話§一日一句~油断していると~ [俳句]

季語は・・・北風

北風は吹き 朝方は震度四

【去年の今日】覚話§視力は今・・・・・・
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尊話§凡人はリスペクトするのだ [日常]

くさすだけくさして、他の人間をリスペクトしない人がいる。その人が優れた何かを発揮してみせても、難癖をつけて一向に評価しようとしないのだ。

なぜ“リスペクト”することを拒否するような態度をとるのだろう。

そうした人たちの口から出る言葉はほとんど決まっていて「あんなのたいしたことない」とか「自分だってできる」とかいった類で、負けず嫌いとも言えないようなレベルなのである。

そうした人の中には、自分には真似ができないとか、勝ち目がないような状況に対し、くやしさの裏返しとしてそした態度に出る人が少なからずいるようだが、ひょっとしてそれは、あたかも自分が負けたような気持になって、負けましたと素直に認めることができず、そうであるがゆえに“ディスる”ということなのか。

まあ、そうした人に向かって謙虚にリスペクトをと言っても無駄だろうからわざわざそんなことを言うつもりはないけれど、心の中はみじめさで満ち溢れていることだろうと想像することは簡単である。

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別話§終活のおはなし~明治生まれの男性~ [終活]

[承前]

今年の3月、明治生まれ最後の男性が亡くなったと知った。詳しい統計資料が存在していないが、存命の明治生まれはすべて女性で800人ほどとのこと。

昭和前半に生まれた人間が古稀を迎えた年に明治の男がいなくなったのだが自分と明治末年生まれの人間とは43歳差でしかなく、自分より43歳年下は、現在27歳で平成生まれということに気がつく。

元号に執着はなく、だからもう平成以降は西暦と同期させることもできずにいるし、昭和、平成、令和と元号3つを生きてきたと言われても感慨らしきものはない。

そして可能性がゼロというわけではないが、大正生まれの全員がこの世からいなくなるところを見届けることができるかどうか……微妙といえば微妙なタイミングのようだ。
                               [続く]

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懐話§昭和三十年代~電気製品~ [昭和]

[承前]

物心がつき始めたと思しき保育園に通い出したころの実家に、どれほどの電気製品が存在していたか、記憶をたどってみた。

で、八畳と四畳半の居室に電灯(後に蛍光灯)が一つずつ。真空管ラジオ1台くらいしかなかった……えーと、まじでそれだけ。台所にも便所にも照明はなかったのである。記憶を刺激しても、家にあった電気製品はそれくらい。

確か、コンセントも居室に一つずつくらいはあったと思うが、何しろ時代遅れをいとわない父親だったので、家に何か新しい設備が入ることはほとんどなかったのだ。何しろ、こたつだって木炭を熾していたし、アイロンも本体に炭を入れて使っていた。

とにかく、本当に電気製品がなかったのだ……昭和三十年代も半ばに入ったというのに。何度か書いているが、テレビは1962年(昭和37年)になってようやく我が家にやって来た。周り中の家にテレビが入って、ようやく一番最後だったのである。

それから扇風機が入り、冷蔵庫は1967年だったから昭和四十年代だったし、洗濯機が入ったのはそれからさらに3年くらい後だったのだ。

小都市ではあれど繁華街の真っただ中にぽつん、時代遅れをいとわない家が存在していた。
                               [続く]

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翔話§パーヴォ・ヤルヴィのジュピター [クラシック]

“恒例”オペラシティでのパーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の演奏会。ヒラリー・ハーン急病でキャンセルとなって、樫本大進の独奏でベートーヴェンの協奏曲となった。


シューベルト:イタリア風序曲第2番 C-Dur D591
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 D-Dur Op.61

[ソリスト・アンコール]
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 C-Dur BWV1005“ラルゴ”

~~~~~~~~~~~~休憩~~~~~~~~~~~~

モーツァルト:交響曲第41番 C-Dur Kv.551『ジュピター』

[アンコール]
シベリウス:悲しきワルツ Op.44-1

軽い前菜のようなシューベルトに続く樫本のベートーヴェンは、華やかさはないものの、貫禄で手堅くまとめた安全運転+α……こんなタイミングでレベルの高い代演が日本にいてくれたことに感謝しなくてはならない。アンコールはバッハの無伴奏。

そしておめあてのジュピター。いつものとおりパーヴォらしく、ダイナミックレンジにメリハリをつけて機能性の高いオケをドライブしていく。これまでだったら、とりたてて不満を感じることはなかったのだが、ジュピターである。個人的にも思い入れの強い曲ゆえ、あるべき高みへと誘ってくれるところを、なかなかそこまで行ききってくれない、どこかもどかしいものを感じる。

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そして、心待ちにしていた“C-D-F-E”の主題がホルンによって奏されるところ―リヒャルト・シュトラウスが「私は天国にいるかの思いがした」―と述懐したところ……残念ながら昇天が叶うことはなかった。いや、これは贅沢なわがままであることは十分にわかっているのだ。

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というわけで、この日は期待したカタルシスを得ることは叶わなかったが、手術直後に充実した音楽を聴けたことは間違いないことだった。

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謔話§一日一句~その境目はどこ?~ [俳句]

季語は・・・冬ざれ

陽だまりと鬩ぎ合う 冬ざるる哉

【去年の今日】楽話§我が家のバリアフリー
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行話§熊蟄穴~七十二候~大雪 [七十二候]

大雪の次候“熊蟄穴(くまあなにこもる)”である。

今年も熊の被害が多かった。そればかりではなく、我が家からそう遠くないあたりを、北からやって来たと思しきはぐれ猿が南下して三浦半島まで行ったとか、鹿が多摩川の支流を遡っていったとか……おいおい!と言いたくなるような状況が現出していたのだ。

やはりというか生態系が狂っているということだろうか。おそらく一番の原因は彼らのテリトリーに餌が不足しているということだろうが、それ以上に彼らの行動を狂わせる何かがあるのだろう。

そりゃあ、我々から遠くないところに奥多摩や秩父、丹沢山塊が存在していて、その中には様々な動物が生を営んでいて、我々人類より先にテリトリーを確立しているから、我々はもっと謙虚に彼らに対して敬意を払うべきなのだが、さすがに害を及ぼされるのは御免蒙りたいが、共存するしかないことは理解しなければならない。

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首話§ネクタイは・・・・・・ [私事]

とんとネクタイを締めなくなった。最後に締めたのはいつのことだったか。

元より、宮仕えしていた会社は服装規定が緩く、ジーンズにTシャツで行こうが一向に頓着するわけでもなかった。新入社員の社内研修の時は、殊勝にネクタイを締めていたが、研修が終わって配属されるや、ネクタイとは縁のない会社生活が始まったのだ。

もちろん、営業関係の人間まではそうもいかなかったが、現場勤めの人間の服装は勝手次第だった。それをいいことに夏場にハーフパンツで出社してきた人間もいたが、さすがに“それはちょっと”と言われた……らしい。

さて、ネクタイの話に戻るが、今だに持っているネクタイは20本足らずだと思う。会社で何かあってスーツを着る必要があるのは年に一度か二度。私用で外出する時にはほとんど締めなくなった。

そうはいっても、ここぞの時のネクタイである。年に一度海外旅行をしていた時、出発ターミナルの免税店で一本買っていたが、その時に“できるだけ派手なやつ”と決めて選んでいたのである。

『孤独のグルメ』の井之頭五郎が、いかにもとってつけたような安物を締めて、らしい雰囲気を醸し出しているのとは違う。もう少し主張あるネクタイを持っていたつもりだ……が、そんなネクタイを会社に締めていったのは、37年半の在職期間中に百回もなかったのではないか?

《私事のトピックス一覧》
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謔話§一日一句~とかくこの世は~ [俳句]

季語は・・・漱石忌

智に働き 情に掉さし 漱石忌

【去年の今日】週話§日曜枯寂~西暦と元号~
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