歩話§ウォークマン今昔 [クラシック]
ソニーからウォークマンが発売されたのは、宮仕えを始めた2年目1979年のことだった。その製品を見た時「こういうのが欲しかったんだ」と思った。
だが、購入したのはずいぶん後になってからのことで、新製品に飛びつくような質(たち)を露呈させたのである。
ただ、カセットのウォークマンとCDウォークマンを買ったのだったが、ほとんど活用することなく終わってしまったのだ。
その理由はと問われたら、外出して表で音楽を聴くという行動形態が自分の性に合わなかったからである。
電車の中で本を読んだりはしても、ことさらに音楽を聴こうとは思わなかったのは、自分が聴いている音楽がロックのような音量大き目ではなく、フォルテとピアノの変化が大きいクラシックだったからではないか。
iPod touchを手にした時、再度聴いてみようと試みた。だが、電車内では、ピアノの音量に合わせると、今度はフォルテがとんでもない音量で耳を脅かすことになり、結局は自分にとってウォークマンの類とは縁のないまま。
だから今、多くの人が使っているワイヤレスのイヤホンで聴くことなどとは金輪際ないままである。
《クラシックのトピックス一覧》
だが、購入したのはずいぶん後になってからのことで、新製品に飛びつくような質(たち)を露呈させたのである。
ただ、カセットのウォークマンとCDウォークマンを買ったのだったが、ほとんど活用することなく終わってしまったのだ。
その理由はと問われたら、外出して表で音楽を聴くという行動形態が自分の性に合わなかったからである。
電車の中で本を読んだりはしても、ことさらに音楽を聴こうとは思わなかったのは、自分が聴いている音楽がロックのような音量大き目ではなく、フォルテとピアノの変化が大きいクラシックだったからではないか。
iPod touchを手にした時、再度聴いてみようと試みた。だが、電車内では、ピアノの音量に合わせると、今度はフォルテがとんでもない音量で耳を脅かすことになり、結局は自分にとってウォークマンの類とは縁のないまま。
だから今、多くの人が使っているワイヤレスのイヤホンで聴くことなどとは金輪際ないままである。
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連話§ブロムシュテット九十七歳 [クラシック]
……という年齢を微塵も感じることのない演奏会だった。日曜日のNHK交響楽団A定期を聴いてきたのだ。
オネゲル:交響曲第3番『典礼風』
*****************休憩*****************
ブラームス:交響曲第4番 e-moll Op.98
今年も一回券を購入し、3階席てっぺんでの鑑賞。半世紀近く前に2年ほど定期会員になっていたが、その頃から比べると、ホールの音響がずいぶんと向上したように感じる。半世紀の間にN響の性能が格段に上がって、ホールにはまるようになってきたということもあるだろうか。
1曲目のオネゲル……初めて聴くので、どう聴いたらいいのか手探り状態。3楽章構成のうち、終楽章“われらに安らぎを与えたまえ”の静謐さが印象的だったが、30分ほどの音楽を捉えきれないまま。静かに音楽が終わって、10秒ほどの沈黙が音楽を物語っていたようだ。
休憩後のブラームスは、何の衒いもなく真正面からブラームスの音楽に切り込んでの“何も足さない、何も引かない”すっきりとしたフォルムの音楽が展開していった。ブラームスのセンチメンタルが凝縮されているような交響曲で、やろうと思えばいくらでもセンチメンタルに演奏できる音楽だが、そうした誘惑をすっぱりと断ち切ってのブラームスだった。
97歳とは思えないテンポとダイナミズム、N響が渾身の演奏で指揮に応えたのである。管楽器グループのアンサンブルも見事だったが、とりわけ弦楽器の雄弁さが際立っていたのではなかったか。フライング・ブラボーもなく、音楽が終わって少しだけ間を置いての喝采。
足元がおぼつかないブロムシュテットはコンマスに支えられて舞台袖からの登場。簡単なカーテンコールで終演したのだった。
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オネゲル:交響曲第3番『典礼風』
*****************休憩*****************
ブラームス:交響曲第4番 e-moll Op.98
今年も一回券を購入し、3階席てっぺんでの鑑賞。半世紀近く前に2年ほど定期会員になっていたが、その頃から比べると、ホールの音響がずいぶんと向上したように感じる。半世紀の間にN響の性能が格段に上がって、ホールにはまるようになってきたということもあるだろうか。
1曲目のオネゲル……初めて聴くので、どう聴いたらいいのか手探り状態。3楽章構成のうち、終楽章“われらに安らぎを与えたまえ”の静謐さが印象的だったが、30分ほどの音楽を捉えきれないまま。静かに音楽が終わって、10秒ほどの沈黙が音楽を物語っていたようだ。
休憩後のブラームスは、何の衒いもなく真正面からブラームスの音楽に切り込んでの“何も足さない、何も引かない”すっきりとしたフォルムの音楽が展開していった。ブラームスのセンチメンタルが凝縮されているような交響曲で、やろうと思えばいくらでもセンチメンタルに演奏できる音楽だが、そうした誘惑をすっぱりと断ち切ってのブラームスだった。
97歳とは思えないテンポとダイナミズム、N響が渾身の演奏で指揮に応えたのである。管楽器グループのアンサンブルも見事だったが、とりわけ弦楽器の雄弁さが際立っていたのではなかったか。フライング・ブラボーもなく、音楽が終わって少しだけ間を置いての喝采。
足元がおぼつかないブロムシュテットはコンマスに支えられて舞台袖からの登場。簡単なカーテンコールで終演したのだった。
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