週話§土曜流転~つまらない記憶~ [記憶]
小学校時代の何人かの同級生の誕生日を覚えていたりする。それこそ半世紀以上顔を合わせたことのない人間も何人かいるが、誰それの……というと、即座に誕生日が口から出てくるのだ。
確か小学校5年生の時、教室の壁に全員の誕生日を表にして貼り出していて毎日眺めているうち、自然に覚えてしまっていた。
A輔は1月7日、H美は3月31日、M保子は7月5日、A部は9月14日……という塩梅である。もちろんクラス全員を覚えていたわけではないけれど、二けたくらいは意味もなく軽く覚えているのは何とも不思議なことである。
こうして人間は覚えていたからといって役に立つことなのない記憶は保持され続けていって、忘れないでほしい記憶は、どこか記憶の引き出しの奥底に埋もれて見つけられないままに朽ち果てていってしまう。
何というか、記憶の選別装置みたいな機能が脳のどこかにあってほしいぞと切に切に願う高齢者なのである。
《老化のトピックス一覧》
確か小学校5年生の時、教室の壁に全員の誕生日を表にして貼り出していて毎日眺めているうち、自然に覚えてしまっていた。
A輔は1月7日、H美は3月31日、M保子は7月5日、A部は9月14日……という塩梅である。もちろんクラス全員を覚えていたわけではないけれど、二けたくらいは意味もなく軽く覚えているのは何とも不思議なことである。
こうして人間は覚えていたからといって役に立つことなのない記憶は保持され続けていって、忘れないでほしい記憶は、どこか記憶の引き出しの奥底に埋もれて見つけられないままに朽ち果てていってしまう。
何というか、記憶の選別装置みたいな機能が脳のどこかにあってほしいぞと切に切に願う高齢者なのである。
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