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営話§結局薬局サラリーマン [私事]

大学を卒業して“宮仕え”を始めた。会社の業績もそこそこ好調だったおかげもあって、転職して新しい仕事をするとかそういうことを考えなどしないままに37年半を一つの会社で全うして終えた。

大学あたりまでの人生序盤は、あまり落ち着くことがないと感じていたが、まさかこんなサラリーマン生活を送れるとは思いもしなかったことである。

なぜサラリーマン稼業を選んだか……それはもうひとえに自分自身の性格と能力の在りようのゆえではなかったか。

まずもって商才などはありようはずもないと自覚していたので、自分で何か立ち上げて起業するなど眼中になく考えもしなかったことだ。加えるなら、何かクリエイティブな才能を擁して、その能力を発揮して会社に寄与することもなかった。

どちらかといえば総務的事務職を淡々とこなすような質(たち)ではなかったかと今さらながら考えているのである。

37年半携わっていた仕事もまた、創造的な仕事をする横で、それをサポートする、いわば舞台の裏方に徹していたのだが、それはもう自分の性格と見事に合致していたのだ。

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遍話§ニーベルングの指環+3演目 [ワーグナー]

バイロイト音楽祭に詣でたのは5回……1991、1997、2000、2008、2016年である。

その年に上演される7演目をひととおり観たのは2回、指環以外の3演目を観たのが2回、指環だけが1回というものだった。

1991年の初詣では、指環とパルジファル、さまよえるオランダ人、ローエングリンを観たが、それ以上にタフだったのが2008年の時である。この年に観たのは、指環に始まって、トリスタンとイゾルデ、ニュルンベルクのマイスタージンガー、そしてパルジファルと、後期重量級7演目を立て続けに観ることができたのだ。詳しい様子はこちらのリンクを。

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同じ演出での上演は最長5年、それをローテーションしていくから、この組み合わせになるタイミングで行けるのもまた珍しい。

というわけで、一度はこの重量級7演目を観たかったという夢が叶ったのである。そして7演目を観るのは9日間というものだった。

つまり、ワルキューレの後に一日、ジークフリートの後に一日の空き日を挟み、神々の黄昏からパルジファルまでの4演目は、休みなしで上演されたのだ。

指環を観ていた間は余裕しゃくしゃくだったが、さすがに登山口からはるか先の山頂を見上げる気分だったが、まあ……懸念したほどのこともなくあっさりクリアしてしまった。

もっとも、その時は指環、トリスタン、マイスタージンガーと音楽はともかくも演出にはがっかりさせられ、最後7つ目のパルジファルで音楽も舞台もようやく満足できたのだ。

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謔話§一日一句~試合中は降り続いて~ [俳句]

季語は・・・短夜

サッカーや 負けて短夜の 雨上がり

【去年の今日】週話§日曜枯寂~本物の顧客サービスとは~
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麦話§スパゲッティ・ナポリタン [B級グルメ]

上京して自炊をするしか食い繋げなかった時のお助け料理がスパゲッティ・ナポリタンだった。

特にあれこれ朝食のメニューを増やすと予算オーバーになるので、同じ材料だったら、財布にも優しいのではないかと考えて、朝はほとんどナポリタンを食べていたのだ。

中身も変わらずウィンナソーセージと玉葱を刻んだもの。味付けはケチャップと胡椒。

味付けのケチャップだが、喫茶店などで出てくるありがちなケチャップをふんだんに使ってというのは、ケチャップの甘さが好きではないので、ほどほどに甘みが出ない程度に使って炒めていた。

焼きそばも同様で、ソースなどそれほどかけなくても、そのほうがおいしく食べられるほうなのだ。

東京に出てきた当時、パスタ料理で知っていたのはミートソースとナポリタンくらい、今だったらパスタソースの類はあれこれ市販されているが、その当時簡単に作れたのはナポリタンくらいしかなく、大学に入ってから、初めてペペロンチーノを食べて、いかにも別世界の味にびっくりした田舎者なのだった。

今でも、喫茶店あたりのナポリタンを注文することはなく、自分が作っていたナポリタンのほうが懐かしい。

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童話§六月大歌舞伎~襲名興行~ [歌舞伎]

六月大歌舞伎は萬屋“初代中村萬壽、六代目中村時蔵襲名披露、五代目中村梅枝初舞台”合わせて中村獅童の息子二人陽喜と夏幹の初舞台である。

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祝幕が2枚出るのは珍しいのではないか。萬壽、時蔵、梅枝は千住博の滝であるが、欧文では“饅頭”と読めてしまったりで成功しているとは思えない(個人の感想

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獅童の息子二人の祝幕はビートたけしによるもの。

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浅草歌舞伎卒業組の同窓会のような『南総里見八犬伝~円塚山の場~』は、8人が顔を合わせた“だんまり”で終わった30分の舞台。

二本目が萬壽、時蔵、梅枝襲名披露狂言『山姥』で、金太郎(坂田金時)の成長譚。梅枝襲名披露にふさわしい、ほのぼのとした一幕……山姥の踊りは、ちょっと退屈だったが。菊五郎以下、歌六、錦之助、芝翫と賑やかな舞台。

↓新潟は久保田の“萬壽”
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さて、最後が獅童の『魚屋宗五郎』である。禁を解いて酒を呑む場面は、やはり手強かったか、雑に酔っぱらっていってしまったように感じられた……いい役者だと、酔っていく段階を“5”くらいで演じ分けるところ、獅童は3段階くらいで酔いを回りきってしまったのだ。

おおよそ。茶碗3杯目で酔いが回ってくるところ、2杯目で酔っ払いだしてしまって、その先はぐずぐずの酔態ではなかったか。次第次第に酔っていく様子を、もう少し丁寧に順を追って演じてほしかったと思うのだが。

七之助の女房おはま、権十郎の父太兵衛、萬太郎の小奴三吉、孝太郎の召使おなぎ、隼人の磯部主計之助他、いい座組だっただけに惜しい芝居である。

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謔話§一日一句~北向きの三畳間~ [俳句]

季語は・・・竹皮を脱ぐ

竹 皮を脱ぎて 陽あたり悪き部屋

【去年の今日】週話§土曜枯寂~自己啓発何ちゃら?~
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部話§読んでほしいエントリーは [ブログ]

ブログを綴り始めて来年で20年となる。よくもまあ続けてこられたものだと我ながら感心するしかない。

先月あたり、突然変異のようにブログランキングが10位にという想像もしていなかったことが起きたが、今は定位置のような場所に収まっている。まあこれといって売り物とか特徴があるとかなブログではないし、特に宣伝して煽ったりもしていないので“そんなもの”である。

ただ、せっかく書いてアップしているのだから多くの人に読んでほしいなあとは思っているが、そうした読んでもらうための手段が見当たらないのは残念だ。

宣伝ページをとまでは言わないが、何らかの形で知らしめるシステムとかがあってくれれば……検索システムがあるではないかと思われるだろうが、吹けば飛ぶよな我がブログは、ブログの名前が出てくるのがせいぜいで、それ以外に新着情報が出てくるようなことはない。

とにかく、書いてアップしている以上は、一人でも二人でも読んでもらえればありがたい……それだけの話である。

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活話§ダネル弦楽四重奏団~武蔵野小ホール~ [クラシック]

何とも痛快でおもしろいコンサートだった。ベルギーのダネル弦楽四重奏団が、ほとんど聴いた記憶のないチャイコフスキーの四重奏曲を全曲演奏するというので“全曲”好きとしてはチケットを買ってしまったのだ。それにしても会員料金2250円とは破格である。

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 D-Dur Op.11
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番 F-Dur Op.22

**********************休憩**********************

チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番 es-moll Op.30

[アンコール]
ショスタコーヴィチ:エレジー
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番第2楽章

さて、音楽が始まったとたんに、ニュアンスに満ちて有機的なダネルQの演奏に引き込まれてしまった。何を言っても第1ヴァイオリンのマルク・ダネルが目に立つ。感情の赴くままに右脚を高く上げたり、右脚を上げたり、さらには両脚が宙を舞う……踏ん張らなくてもいいのかなと。

個人的に、第1ヴァイオリンはアマデウスQを想起させるように感じたが、どんなものだろう。

1番の快活な終楽章が終わった後、観客の喝采がこの日の演奏がどんなものであったか、正直な反応である。動き回るダネルに比べれば、他の3人はというと、冷静にかっちりと音楽を組み立てていく……動と静の妙味なのか。

↓ショスタコーヴィチは沈潜していく


前の週に聴いたヴォーチェQがヴァイオリンとチェロが急遽入れ替わったりしたことで、不本意な消化不良に終わってしまったのに比べると、音楽の闊達さ有機的なアンサンブルと、最後まで満足のいく演奏を聴かせてくれた。

本プロ終了は21時ちょうど。バスで吉祥寺に出て電車を乗り継ぎ、22時半の帰宅。

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謔話§一日一句~久々にほろ苦く~ [俳句]

季語は・・・ビール

休肝日 明けてビールの 酔い心地

【去年の今日】邂話§尾瀬で出会う人たち
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行話§梅子黄~七十二候~芒種 [七十二候]

芒種の末候“梅子黄(うめのみきばむ)”である。

関東地方はまだ入っていないが、梅雨である。ほどよい雨降りは、水の確保はもちろん、様々な場面で必要欠くべからずなわけではあるけれど、時として梅雨前線が悪さをして、川が増水、土手が決壊して大きな被害をもたらしてしまう。

新しい気象用語として“線状降水帯”が使われるようになった。梅雨ばかりでなく、他の季節でも出現してはゲリラ豪雨を降らせるのだ。

大気が不安定になることで前線的なものが発生し、時には長時間の大雨を降らせることになる。これもある意味地球温暖化の影響ということだろうか。

幸いにも、我が家は多摩丘陵のてっぺんに立地していて、標高数十m以上であるがゆえに、水の被害を蒙ることは、南極や北極の氷がすべて溶け出さない限りはあり得ず、そこは安心しているが、そうではない地域に暮らす人たちは気が気ではないことも多いだろう。

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週話§日曜流転~タバスコ考~ [B級グルメ]

初めてタバスコを口にしたのは高校生の頃ではなかったかと記憶している。



同級生と連れ立って町中の喫茶店に入って、スパゲッティ・ナポリタンを注文したら、粉チーズとタバスコが一緒に並んで出てきた……これは何だとラベルを読めば“ペッパーソース”とあって、ははーんそういうことかと試してみれば、これがなかなかの刺激。一度で気に入ったのだ。

とはいえ、自宅で使えるような料理が出てくるはずもなく、もっぱら喫茶店にあるのを使っていたくらいだった。

結局、常備するようになったのは結婚して以降のことで、使うのはパスタやミニピザ、食パンを使ったピザトーストくらいのものである。

そういえばという記憶があって調べたら、やはりプロレスのアントニオ猪木が、1970年代のほんの一時、タバスコの販売権を取得して輸入商社を営んでいたが、別件で負債を抱えていたことで、短期間で販売権を手放してしまったのだ。

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謔話§一日一句~薄白の微発泡~ [俳句]

季語は・・・冷酒

老いらくの 身や冷や酒は 濁り酒

【去年の今日】泉話§炭酸水・・・・・・ぐびぐび
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告話§ビッグイシュー481号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー481号は6月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。まちに座るが表紙。

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スペシャル企画 エイミー・ワインハウスが遺したもの

リレーインタビュー 山口香(柔道家)

特集 まちに座る

まち歩きで疲れたら、少し休んだり、風景や道行く人を眺めたり、どこかに座りたくなりませんか? すると、目線が低くなり、まちと世界の景色が一変します。そんな“まちに座る”ことを楽しむ人たちが増えつつあります。

ビールケースを使った「置きベン」で、立ち寄った人と対話する「対話之町京都ヲ目指ス上京」、高齢者がまちを歩く時の“歩き継ぎ”のため、自作のベンチを設置する「とまり木休憩所・おでかけベンチ協働プロジェクト」(京都)、人々の思い出のある椅子をワークショップで赤色に塗り、まちに配置する「赤い椅子プロジェクト」(東京・吉祥寺)、大阪の「赤いベンチプロジェクト」、モバイルこたつを片手に、まちのすき間でこたつを楽しむ「流しのこたつ」(大阪)。そして、元は室内用の椅子を野外に置いて活用する「野良イス」をウォッチする人Mr.tsubakingさん。

公共空間の楽しみ方を追求している笹尾和宏さんからは“まちに座る”を楽しむエッセイが届きました。

[国内記事]
探査(Tansa)レポート③ 岡山吉備、水道水から28倍のPFOA検出

ふくしまから ALPS処理汚染水の海洋放出から9か月

[連載記事]
浜矩子の新ストリート・エコノミクス 「委」と「移」では大違い

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
         思い出が詰まった手紙を処分できません☆豆のサラダ☆

池内了の市民科学メガネ ほんわかほっこり入浴剤

販売者に会いにゆく セルビア『リツェウリツェ』ゴゴフ
                              [その他]

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週話§土曜流転~利息が二割ですって?!~ [日本]

定期預金したら利息が5%だったのは何十年前のことだろうか。普通預金に預けても、毎月20円くらいの利息は付いていた……就職した40年以上前のことだが。

今の時代、定期に預けても1%の利息すら受け取ることはできない。そこで暗躍するのが詐欺集団である。

まことしやかに、そして言葉巧みに“元本保証でしかも利率が20%”などと夢のような話を誘い掛けてくる。そしてそんな話に乗って数百万、数千万、果ては億単位の財産を預けてしまうのだ。

1%の利率すら期待できないのに、どこをどうひねり出したらそんな高利率が実現するものか教えてもらいたいと思う。我が身はといえば、利殖の才の類など皆無ゆえ、これまでに株であるとか投資信託の類すら手を出してなどこなかった。老い先が長くない身であるから、これからも残り少なく限りある財産を元手に、危ない橋を渡るつもりなどはさらさらない。認知症にでもならない限り、そんな悪の手に搦めとられることもないだろう。

こんなエントリーを書いているのは“注意喚起”のつもりなのだが、そうした詐欺の勧誘に乗りかねない、あるいは既に被害を蒙った人たちが、これを読んでくれるとは残念ながら思えないのだけれど。
 
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謔話§一日一句~湿原の女王~ [俳句]

季語は・・・山女(ヤマメ)

山女棲む 流れ昏くて 拠水林

【去年の今日】過話§上京五十年~代々木という町~
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甘話§蜂蜜~少しだけ~ [蜂蜜]

朝は、もう長いことバナナミルク、トースト1枚、コーヒーと変わらぬラインアップで過ごしている。同じものを食べて飲むルーチンだが、飽きることはない。

合わせて、小さじにほんの少しだけの蜂蜜を舐めている。これももう、20年は続けているルーチンではなかったか。

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そしてその蜂蜜だが、スーパーなどで売られている色の薄いアレではない。ちょっとだけ贅沢をして、いい蜂蜜を買っている。それもせっかくの蜂蜜なのだからと、癖の強そうな蜂蜜を選んで買っている。

このところのお気に入りは、栗と蕎麦の蜂蜜で、どちらも色は褐色というか黒に近く、味も癖があって濃厚なことこのうえない。そんな癖のある蜂蜜だが、オーストリアアルプス土産の山チーズに合わせても、上々吉な味わいをもたらしてくれた。

それに比べると、昔々に実家で買っていたレンゲ蜂蜜とやらなどは、ほとんど“砂糖”でしかなく、自然がもたらしてくれる濃厚な味わいからは程遠いものがある。

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仏話§牧神の午後への前奏曲~ドビュッシー~ [ドビュッシー]

美しい音楽である。ドビュッシーが作曲したこの音楽を初めて聴いたのはいつのことだったか……記憶をたどると微かに高校生の頃だったと思われる。フランス語は“Prélude à l'après-midi d'un faune”となる。



バッハからリヒャルト・シュトラウスへと連なっていったドイツ音楽の構造とはまったく違う。何とも捉えようのない音楽に惹かれたのだが、それは、曲のイメージが、尾瀬とぴったり重なりあってしまったからだ

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冬の積雪期は別にして、尾瀬にいると季節を問わず、頭の中で勝手に牧神の午後への前奏曲が鳴り出すのである。それはもう上の写真を見ればたちどころに理解できると思うが、どうやら水と林と草原という合わせ技で、そこに牧神が現れるのではないかという段取りである。

ドビュッシーと尾瀬の関わり合いについて、もう一曲紹介しておこうと思うが、それはフルート独奏のための『シリンクス(シランクス)Syrinx』というわずか36小節の音楽だが、個人的には“牧神”と表裏一体を為している作品と考えていて、牧神とシリンクスとは切り離すことのできない関係なのだ。



かつては考えられなかったことだが、この御時世ならタブレットに音楽を仕込んで現地で聴くことも可能になった。だが、自分としては音楽を流すより自分の頭の中で自然に鳴ってくれるほうが好ましい。

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懐話§昭和五十年代~街の定食屋~ [昭和]

[承前]

大学に通っていた頃は町場の定食屋で食べるなど、とてもとてものことで、就職して、少しばかり余裕ができたところで、定食屋なるものに足しげく通う時期があった。

大学を出て最初にアパート暮らしをしていたのは荻窪。駅前には定食屋が何軒か店を出していて、どこも店内は4人掛けテーブルが4つか6つ、それと5人くらい座れるカウンターがという小ぢんまりな店である。

ビールの大瓶を1本、それから冷奴とかほうれん草のお浸しといった小鉢物をつまんでひとしきりだが、そこからさらに日本酒へと進まなかったのは、予算の関係が大きい。

ビールが終わりそうになる頃に注文するのは、焼肉定食とかハムエッグ定食みたいな定食物。ご飯は大中小と選べるが、大学を出た頃でも大盛り辞さずとはならず、ほぼ中盛りで推移していた。ちなみに今は、小盛りオンリー。

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暮らし始めて40年を超えた地域は、環境良好ではあるけれど、こと外食に関する限りは質も量も明らかに不足している。だから、町場の定食屋のような存在などは望むべくもない。
                               [続く]

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転話§ニーベルングの指環がディスク一枚で [クラシック]

四夜で演奏時間15時間に及ぶワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』を、直径12cmのたった一枚のディスク(ブルーレイオーディオ)に収めて発売されるという。

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40年ちょっと前にCDが発売された時、ベートーヴェンの第九がCD一枚に収録されたことに人々は驚いたが、これはもはや、そうした領域をはるかに凌駕してはいないか。技術はここまでデータを圧縮できるようになった。

日本のリスナーの多くは今だにディスク信仰を持ち続けていて、だから自宅に“ブツ”としてのCDをコレクションすることで“安心”している節がある。まさに唯物信仰そのものである。

だが、欧米世界では、ディスクを所有するよりもサブスクでデータを外部から取り込むディスクレスが浸透してきている。事実、ドイツ&オーストリアを旅行する時に借りたレンタカーだが、最後の3年ほどは、カーオーディオにCDプレイヤーは装備されておらず、iPod touchやiPadなどのメディアを接続して音楽を再生するようになっていて驚いた。

自分自身は、そうした状況までは何とか対応することができたが、いよいよ現実は想像の域を超えてしまった。そんな15時間のディスクを再生し嬉々として聴くような気力はないし、そうした再生装置を新たに誂えるつもりも持ち合わせてはいないのだ。

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謔話§一日一句~足取り軽く~ [俳句]

季語は・・・空梅雨

空梅雨や 尾瀬の歩荷の 帰り径

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【去年の今日】術話§通販番組の妙技
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鶏話§卵かけご飯考~TKG~朝食です [B級グルメ]

成人してからは、かなり改善(だが、まだある)した偏食だが、小学生の頃は本当にひどかった。何が食べられるか……手の指10本で数えられるんじゃないかというくらい、食べられないものがたくさんあったのだ。

だから朝食に食べるのは、ほぼ毎日卵かけご飯(TKG)だった。それに漬物でご飯をかき込んでは登校していた。あとは週2日くらいは納豆だったか。

貧乏な家だったが、卵は何とか毎日用意されていたのはありがたかった……炊き立てのご飯に、卵を割り入れ、醤油を垂らして混ぜ混ぜすれば出来上がりとは、もはや料理ですらないが、これがうまくて食べ飽きたことはない。

何より、手っ取り早くさらさらと流し込めてしまうので、忙しない朝の食事の王者なのである。

実は“バター溶かしご飯”という、さらに凶暴な一品があって、あまりにも凶暴過ぎて、2週間に一度くらいしか食べることはしなかった。要するに、炊き立てのご飯に一かけらのバターを溶かし混ぜて、醤油を垂らりしてやるのだが、これもまた危険に過ぎた。

今、朝食はトーストを一枚食べるくらいで、お米を食べることはなくなってしまったから、卵かけご飯を食べるチャンスはほとんどない。ごくたまに、本当に気まぐれでだが、同居人が用事で外出した昼飯に、冷凍ご飯をレンチンして、TKGを食べているのは内緒だ。

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欲話§酒への執着 [酒]

酒への執着が年々希薄になってきていると感じる。古稀を目前として、このところ酒量も減ってきている。

年明けの頃から自宅で呑むのはビール350mlを1缶と日本酒240ml、もちろん週三日(月水金)のお休肝日はきちんと励行しているのだ。それが、2年も前だったらビールのロング缶1本と日本酒二合くらいは呑んでいたが、一年くらい前から、その酒量が多いと感じるようになった。

そのあたりから、酒への執着が希薄になりつつあると感じるようになって、それならと、酒量を一気に減らすことにしたのだ。

まあ、酒が嫌いになったわけではないし、体調に変化が生じたというわけでもない。晩酌は夕食の大きな楽しみなので、細く長くでいいから、体調に問題がない限りは呑める範囲で楽しみたいと思う。

そういえば、酒への執着が希薄になった、もう一つ大きな理由として思いつくのは、2020年このかたのコロナ禍の影響で外呑みが激減したこともあるのではないかということである。

コロナ以前だったら、月に一回くらいは外で呑んでいたのが、年に数回程度でしかなくなったからか、外呑み下手になってしまい、いつぞや生ビールを1杯と日本酒二合を呑んだら、帰りの電車で呑み過ぎたと感じて、考え込んだことがあった。

ちょっと前だったら呑めた量が呑めなくなってきているのは事実で、それを無理矢理に前のとおりに呑もうなどとはゆめゆめ思わない。年齢なりの酒の愉しみを会得しなくてはならないのだ。

《酒のトピックス一覧》
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謔話§一日一句~閑かな老後~ [俳句]

季語は・・・紫陽花

紫陽花や 3DKの 老夫婦

【去年の今日】週話§日曜枯寂~やっぱり九月入学ですよ~
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働話§午前様と朝帰りの時代 [神保町]

何とも不規則な仕事を20年ほど続けていた……体力がまだまだあったのだなと、今振り返れば感心するような勤務実態だった。

定時は9時30分~17時30分、週休二日だったが、定時出社&退社したことはその20年の間に数えるほどしかなかった。遅い朝に起き出し、出社の途中で昼飯を食べて、会社のタイムレコーダーを押印すれば、そこからが勤務時間となって業務スタートだが、途中で夕食を食べて……そこからが本番のようなものである。

そんな仕事をしていた1970年代から90年代前半にかけては、非効率的な手作業がメインだったから、その日やるべき作業が片付くのは常に深夜に及んでしまうのだ。

規則で23時以降はタクシー帰宅が認められていたが、そんな時間にならずに電車で帰宅できたのは、月20日勤務のうちで2日くらいのものだった。

そんなわけで、帰宅するのはほぼ午前様。それどころか3時、4時、5時という日もままあって、朝日を背に首都高速を帰宅することも珍しいことではなく、時には気まぐれに一番電車に乗って帰宅……の直前、駅ナカの蕎麦屋で朝定食をつまみにビールを呑んだりしたことも。

そんな勤務形態に別れを告げられたのは20世紀も終わりになる頃、勤続20年となったある夏の日のことで、思いがけない人事異動のおかげで、7月のはじめには夜型生活から別れを告げることができたのだ。

そこから定年退職までの17年ほどは、まあまあ人間らしい勤務ができたようである。

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安話§左足ブレーキで四十年 [自動車]

以下は、既に何度か書いていることである。そしてあくまでも個人の責任で行っていることである。

運転免許を取得したのは1984年10月。当時はオートマ限定はなく、マニュアルで教習を受けたのだった。そうして無事に運転免許を手にして、オートマ車を購入したのは、最初から決めていたことだった。

そして、もう一つ決めていたのは、左足でブレーキを操作しようということである。これはもう周到に準備をしたつもりで、いきなり最初から左足を使いだしたわけではない。

マニュアル車でクラッチを扱うのは左足。ブレーキ操作と違って、ガツンと踏むのがクラッチペダルだから、左足でブレーキを踏むなとは、教習所で繰り返し指導されたことである。

だが“個人的”には、右足をアクセル、左足でブレーキと踏み分けるほうが合理的であろうと思い定めたのだ。

まず最初は運転中には使用せず、車を始動させる時や、バックする時に左足でブレーキペダルを踏むようにして、足慣らしをした。加えるなら、上り坂で停車している時も左足でブレーキを押さえておいて坂道発進をした。

そうして、運転時の実践に取りかかったが、そこまで慎重に事を進めたからかどうか、特に戸惑うこともなくスムーズに左足でブレーキをコントロールできたのである。

今さらながら、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の多さに、どうにかならないかと考えるが、だからといって、声を大にして左足ブレーキをとは声を上げにくい。否定的な論調も少なくないからだ。

だが、40年というものを左足でブレーキを踏んできた経験から言うならば、せめては駐車場みたいな、徐行やバックを必要とする場所では左足でブレーキを押さえるようしたらどうかと思うのである。

なお、左足ブレーキの短所は何かと聞かれたら、ペダルの位置が右足寄りになっていることで、それが若干使いにくいと言えなくもない。右足で踏むようになっているから、あたりまえなのだが。

《ドライブのトピックス一覧》
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謔話§一日一句~タイマー仕掛けて~ [俳句]

季語は・・・時の日

時の日や 半熟卵 あと二分

【去年の今日】週話§土曜枯寂~睡眠十分~
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行話§腐草為蛍~七十二候~芒種 [七十二候]

芒種の次候“腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)”である。

薫風爽やか皐月五月から一転、じめじめ鬱陶しい湿気の6月がやって来た。気温は順調に上昇して、陽が昇る頃から既に暑さを感じるようになった。明るくなるのは4時過ぎで、それから延々と暑い日中となるのはうんざりなのだ。

記憶をたどるなら、半世紀以上前の6月は、それほど暑くはなかったように思うのだが、この頃はもう5月から容赦なく暑くなり始めて、6月にはすっかり夏の様相となってしまう。しかも梅雨の湿気がそれに加わるので、鬱陶しいこと甚だしいものがある。

せいぜいはエアコンを活用して、家の中だけでも過ごしやすくしてやらねばと思うのだ。

《七十二候のトピックス一覧》
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仏話§ヴォーチェ弦楽四重奏団~フランス~ [クラシック]

ドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲という好物に惹かれて、サントリーホールのローズルームへ。

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲 g-moll Op.10
バルメール:『風に舞う断片』[日本初演]

**********************休憩**********************
ドビュッシー(バルメール編曲):
『抒情的散文』より1・2・4曲(ソプラノと弦楽四重奏用編曲)[日本初演]
ラヴェル:弦楽四重奏曲 F-Dur

[アンコール]
ドビュッシー(バルメール編曲):『抒情的散文』より第4曲「夕べ」

ヴァイオリン奏者が“体調不良”で、チェロが“諸般の事情”で、それぞれ代演が参加しての来日公演となった……やや不安なニュースではある。

1曲目のドビュッシー……座った席がステージからは左端奥で、ヴィオラ奏者が真正面に見えるからか、終始ヴィオラの音が目立って聴こえてきた。

普段、それほど注意深くヴィオラを聴くほどマニアックではなく、そのあたはおもしろかったが、肝腎の第一ヴァイオリンが、こちらからは背中を向けて演奏しているので、音が届いてくれなかった。そもそも音色が細めの奏者のようだ。

ちょいと物足りない演奏と感じたのは、2曲目の“ゲンダイオンガク”が控えていたからかどうか。パワー温存だったのかもしれない。

そんな2曲目は、ピチカートとハーモニクスが“風に舞う断片”を表していいたということか、そうはいても二度と聞く機会のない“一期一会”の音楽ということである。

休憩後、ドビュッシーのピアノ伴奏歌曲『抒情的散文』を弦楽四重奏に編曲した全4曲のうち3曲が、ソプラノの波多野睦美によって歌われた。残念ながら、彼女の歌声が弦楽器にかき消されてよくわからなかった。ローズルームは、座席やステージが固定されておらず可変で、この日は客席が横長に伸びていたが、だからなのか音が拡散していったような印象。

最後のラヴェル……ヴィオラがよく聴こえるのは変わらずだが、低音弦に負けていたヴァイオリンが、ようやく精彩ある音楽を聴かせてくれたが、音が細身であるのは変わらず。もう少し艶めかしさのようなものが感じられればと思ったのだが。

アンコールは本プロの歌曲から第4曲が歌われた。終演は21時5分。

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