街話§神保巷塵[109]利根そばの想ひ出 [神保町]
[承前]
神保町で一番のインディーズ立ち食い蕎麦の雄“利根そば”が惜しくも店を閉じたのは2012年秋のことだった。
およそ20年は世話になっただろうか。通い始めた頃の利根そばは、たいしてうまくもない、そんじょそこらにある蕎麦を出していた。だがいつの頃だったか記憶にないが、突然“うまいんでね?”店に生まれ変わっていたのだ。
あくまでも立ち食い蕎麦屋のレベルとしてはという意味だが、そのおかげで昼飯の楽しみがマシマシになったのである。
まず、麵の味が向上し、蕎麦つゆも格段にうまくなった。そして上にのせる天麩羅がよろしい。お気に入りは輪切りにした玉葱のかき揚げ。クリスピーで、蕎麦つゆに浸すといい味となり、普通は揚げ置きだが、タイミングが合えば揚げ立てをのせてくれて、それが一段とうまいのだ。
鰻の寝床のような店には客が引きも切らず、思い思いのトッピングを注文しては、あっという間に食べて店を後にする……そんな貴重な店が閉店したのは何とも残念なことで、今の神保町には小諸そばのようなチェーン系の立ち蕎麦屋が数軒あるのみ。もう、インディーズの入る余地はないのだろうか。
[続く]
《神保町のトピックス一覧》
神保町で一番のインディーズ立ち食い蕎麦の雄“利根そば”が惜しくも店を閉じたのは2012年秋のことだった。
およそ20年は世話になっただろうか。通い始めた頃の利根そばは、たいしてうまくもない、そんじょそこらにある蕎麦を出していた。だがいつの頃だったか記憶にないが、突然“うまいんでね?”店に生まれ変わっていたのだ。
あくまでも立ち食い蕎麦屋のレベルとしてはという意味だが、そのおかげで昼飯の楽しみがマシマシになったのである。
まず、麵の味が向上し、蕎麦つゆも格段にうまくなった。そして上にのせる天麩羅がよろしい。お気に入りは輪切りにした玉葱のかき揚げ。クリスピーで、蕎麦つゆに浸すといい味となり、普通は揚げ置きだが、タイミングが合えば揚げ立てをのせてくれて、それが一段とうまいのだ。
鰻の寝床のような店には客が引きも切らず、思い思いのトッピングを注文しては、あっという間に食べて店を後にする……そんな貴重な店が閉店したのは何とも残念なことで、今の神保町には小諸そばのようなチェーン系の立ち蕎麦屋が数軒あるのみ。もう、インディーズの入る余地はないのだろうか。
[続く]
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