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悼話§市川團蔵さん(歌舞伎役者) [歌舞伎]

九代目團蔵の舞台を初めて観たのがいつだったのか、はっきり覚えている。2003年5月の歌舞伎座。演目は『極付幡随長兵衛』で、芝居の冒頭の村山座舞台『公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)』という劇中劇が演じられ、その主役である坂田兵庫之介公平を務めたのが團蔵なのだった。

坂田公平を主人公にした荒事の寸劇が芝居の発端ということだが、その坂田公平の存在感が際立っていて、後で市川團蔵という役者だと知ったが、大看板に次ぐ役回りを淡々とこなして、しかも一定の水準をコンスタントに維持している、菊五郎劇団になくてはならない役者だったのである。

↓髪結新三の弥太五郎源七
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髪結新三の弥太五郎源七から、源氏店の蝙蝠の安五郎といった小悪人、そして魚屋宗五郎の父太兵衛の老け役まで、何とも器用に務めていたのだ。ただこのところ舞台姿を見ることができず、去年11月の『マハーバーラタ戦記』も観に行った時は休演していた。どうやら最後に観たのは2021年10月の『松竹梅湯島掛額(紅長)』の月和上人。貴重な脇役がまた一人……享年七十三

合掌

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