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煙話§ヱビスビール“燻” [ビール]

先月、9月に発売されていた“燻(いぶし)”が、一か月遅れくらいでようやくスーパーマーケットの棚にあるのを見つけていそいそと買った。相変わらず新製品を手にするのが遅い。

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ドイツのフランケン地方バンベルクという小都市に“シュレンケルラ”という銘柄の燻製ビール“ラオホビア(Rauchbier)”が、今でも醸造されている。ブナの木などのチップを燃やして、その煙で麦芽を燻して燻蒸香をつける。ドイツを旅行していた時でも呑む機会がなく、一度しか呑んだことはないがこれがなかなかの曲者で、慣れない人はその癖に驚いて吐き出してしまうほどなのだ。口の悪い人など“くさやビール”と言うくらいである。

……というイメージを抱きつつ、晩酌に開けてみた……うーん、やっぱり冒険してはいなかったか。燻製ビールの独特な香りと味を顕著に感じるところまではいかず“お印”程度としか感じられなかった(個人の感想です

相変わらず日本の大手ビール醸造所は、冒険をせず無難な味の製品を出して良しとしていて、そんな間にも消費者が求めるテイストが変化していることには気がつこうとしない。

ドイツに旅することができなくなって、かつて以上に“あちら”のビールを渇望している自分がいる。

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