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試話§初めての店に入る時 [居酒屋]

自分的には通い慣れた店に入るほうが気楽で、宮仕え時代もなかなか新しい店の開拓に腰が重かった。

そりゃあ誰でも、初めての店に踏み込む時は、一呼吸置いたりするだろう。中には、そんな様子など微塵も見せることなく軽々と敷居をまたいでいく人もいるだろうが、自分などは初めての店に入るのに、入口の前で逡巡を繰り返すほうである。

それは、店の人にとって初めての客は異邦人でしかなく、そして自分にしても、見たことのない店内やちらっと一瞥する店主と常連客……緊張する一瞬なのだ。

だから“そこ”をクリアするのがプレッシャーで新しい店に入るのを躊躇うのである。そうして、入ったら入ったで、自分が気に入るか、再訪はあるかとか考えつつ御品書を手にして注文する料理を考える。

さて、拍子抜けか、期待どおりか、期待以上か……そうして入った店の多くは、おおよそ自分の眼鏡にかなってくれて、訪問回数を重ねるうちに、店の空気にも馴染んで、3回も通えば店主から顔も覚えられ、ようやく自分の居場所として快適と感じるまでに半年はかかるだろうか。

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