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連話§ブロムシュテット九十七歳 [クラシック]

……という年齢を微塵も感じることのない演奏会だった。日曜日のNHK交響楽団A定期を聴いてきたのだ。

オネゲル:交響曲第3番『典礼風』

*****************休憩*****************

ブラームス:交響曲第4番 e-moll Op.98

今年も一回券を購入し、3階席てっぺんでの鑑賞。半世紀近く前に2年ほど定期会員になっていたが、その頃から比べると、ホールの音響がずいぶんと向上したように感じる。半世紀の間にN響の性能が格段に上がって、ホールにはまるようになってきたということもあるだろうか。

1曲目のオネゲル……初めて聴くので、どう聴いたらいいのか手探り状態。3楽章構成のうち、終楽章“われらに安らぎを与えたまえ”の静謐さが印象的だったが、30分ほどの音楽を捉えきれないまま。静かに音楽が終わって、10秒ほどの沈黙が音楽を物語っていたようだ。

休憩後のブラームスは、何の衒いもなく真正面からブラームスの音楽に切り込んでの“何も足さない、何も引かない”すっきりとしたフォルムの音楽が展開していった。ブラームスのセンチメンタルが凝縮されているような交響曲で、やろうと思えばいくらでもセンチメンタルに演奏できる音楽だが、そうした誘惑をすっぱりと断ち切ってのブラームスだった。

97歳とは思えないテンポとダイナミズム、N響が渾身の演奏で指揮に応えたのである。管楽器グループのアンサンブルも見事だったが、とりわけ弦楽器の雄弁さが際立っていたのではなかったか。フライング・ブラボーもなく、音楽が終わって少しだけ間を置いての喝采。

九十七.jpg

足元がおぼつかないブロムシュテットはコンマスに支えられて舞台袖からの登場。簡単なカーテンコールで終演したのだった。

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