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懐話§昭和三十年代~映画館~ [昭和]

[承前]

北関東は関東平野の外れの小都市に実家があった。町中の賑やかなあたりで一歩メインの表通りに出ると、それは南北にまっすぐの一本道の商店街が伸びていた。

裏通りはというと、小さな商店、それに居酒屋やバーなどが立ち並ぶ歓楽街だったが、さしたる記憶はない。そんな中に、徒歩2分か3分で行ける映画館が3軒……東宝系、日活系、洋画の3軒である。

ちょくちょく観に出かけていたのは東宝の封切館で、お目当ては円谷監督の特撮物。小学生の頃だったから、今から60年も前のことで、子供料金は50円かそんなもので、それくらいでないと入れるものではなかったはずだ。

その当時は2本立てがお約束で、円谷特撮ともう一本は、森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺が登場する駅前シリーズと社長シリーズ、そして加山雄三の若大将シリーズだった。

森繁たちの喜劇物もそれなりにおもしろかったが、やはり加山雄三の若大将シリーズも大きな楽しみで、円谷特撮と若大将シリーズの時はワクワクして映画館に出かけていって、映画館内の売店で買うのは決まって名糖のホームランバーというアイス……食べ終わったバーに“ホームラン”と焼印があれば、もう一本で“ヒット”の焼印3本でもう一本もらえるのである。
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そんな映画館だが、他の日活系と洋画にはあまり行くことがなかったのは、日活系は小学生の趣味ではなく、洋画は何を観ればいいのかわからなかったからだ。

そして小学校を卒業するころには円谷特撮にも飽きてしまい、映画館に足を運ぶこともなくなってしまった。そして既にその3館は影も形もない。
                               [続く]

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