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週話§日曜流転~携帯電話がなかった時代~ [携帯電話]

携帯電話の契約をしたのは1998年くらいだったか。その頃は個人的に電話で会話することが激減していたから、わざわざ手にする必要などなかったのだが、もしもの時の自宅との連絡用に“保険”の意味合いとして契約した。

それでは“携帯電話以前”はどうだったのか……ひょっとしたら、30歳くらいの年齢の人たちでも覚えていないのではないかと驚いているのであるが、外出先で何か連絡をしようと思ったら、電話ボックスや煙草屋みたいな店先に置かれた赤電話(ピンク電話)のお世話になるしかないのだ。

さらに、喫茶店によっては“呼び出し電話”のようなサービスをしてくれる店もあって、あらかじめその店にいると知らせておくと、先方から電話を掛けてくれば取り次いでくれる。

とにかく、ひとたび外に出てしまった時の連絡手段といえば、その程度でしかなかった。そして駅の改札口付近には、伝言を残せる黒板があって、待ち合わせでのメッセージを残せるようになっていた。

間違いなく今の若い世代は、連絡手段を持たずに外出することなど想像もできないのではないか。待ち合わせをしていて、相手が一向にやって来ず、だからといって待ち合わせ場所から離れるわけにもいかず、にっちもさっちもいかない経験などしたことなどないのだろう。

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