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謡話§『お富さん』のおかげで(笑 [歌舞伎]

1954年、春日八郎が歌った『お富さん』がミリオンセラーとなった。題材は歌舞伎の『与話情浮名横櫛』で、ご存じ“お富与三郎”である。



いつの間に覚えたものか、とんと記憶にはないのだが、歌詞をほとんど覚えてしまっていて、調子よく歌うことができてしまう。

♪粋な黒塀 見越しの松に
仇な姿の 洗い髪
死んだはずだよ お富さん
生きていたとは お釈迦さまでも
知らぬ仏の お富さん
エッサオー 源冶店♪

歌のおかげかどうか、初めて歌舞伎の舞台に接した時も、おもしろいくらい内容を理解することができたのには我ながら笑ってしまった。歌詞が情景を表したり与三郎の心情を巧みに描写していて、まんま芝居のダイジェストに仕立てられていたからだ。

ところが、作詞した山崎正は歌舞伎をまったく知らず、作曲の渡久地政信に至っては“歌舞伎は大嫌いで観たこともない”という……それでも何とか、一曲に作り込んでしまうあたりはお見事な手腕と言うべきか。

その後“二匹目のどじょう”を狙って『白浪五人男』を題材に『弁天小僧』を三浦洸一が歌ったが、お富さんほどのヒットにはならずに終わったのだ。

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