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米話§一升瓶とワタシ [日本酒]

一升瓶は豪快である。

できれば一升瓶からグラスになみなみと注いで、ぐびぐびしたいものだとは今でも考えていることだが、残念ながら四合瓶を冷蔵庫でちまちまと冷やしているに過ぎない。

といっても、一升瓶を買うのは年に一度もない。理由は、冷蔵スペースには入ってくれず、入れられるのは野菜庫だけで、何となく遠慮がちになってしまうのだ。

そして一升瓶も四合瓶も、中身に変わりがあるわけでもなく、ただ単に気分的な理由で一升瓶LOVE!というだけなのは言うまでもない。

もちろん一升瓶を一晩で空けたなどということは一度もない。半分すら空けたこともなく、四合ほど呑んだらひっくり返ってしまった程度の、ライトな酒呑みで終わってしまった。

だから、一升を空けてケロリとしている人を見ると、何だか別世界から来た存在ではないかと感じる。

そうした人たちは、豪快にぐびぐび!杯を重ねているのかというと、そんなことはなく、静かにかつ淡々と呑み続けていて、だからこそ恐ろしいのだ。

かくして、ピーク時であっても三合そこそこで出来上がってしまった我が身としては、何とまあ安上がりであったことよと、遠い遠い眼で眺めている。

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