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華話§藤山直美『はなのお六』七夕喜劇まつり [舞台]

東京の最高気温が35度を超えた猛暑の土曜日、朝から新橋演舞場に行ってきた。お目当てはもちろん直美ちゃんである。

七夕喜劇まつり.jpg

それにしても暑かった。地下鉄東銀座の駅から地上に出たら、容赦ない陽射しに、思わず持っていた雨用の折り畳み傘拡げてしまったくらい。そして、七夕喜劇まつりもこの日と翌日の千秋楽を残すばかり。

開演11時の一本目は『唐木の看板』という一時間足らずの舞台。江戸と大坂それぞれに住む許婚が東海道をすったもんだの揚句、めでたしめでたしとなるのだが、直美ちゃんは出ず、歌舞伎から市村萬次郎、中村亀鶴、澤村宗之介といった面々が登場したのだが、どうもこの日の客席は、歌舞伎役者である彼らを知らないような反応で、軽いジャブが飛んできた程度で終わった。

休憩後『はなのお六』で藤山直美をたっぷりと堪能。奈良の吉野から一旗揚げようと江戸にやって来たお六が、類稀な嗅覚を活かして行方知れずになっていた三つ葉葵の白旗を見つけ出して出世するという話。結末あたりについては突っ込みたくならないでもないが、そこは喜劇ということで。

脇を萬次郎、亀鶴、宗之助たちが囲んだことで、舞台が締まり、直美ちゃんの奔放な芝居が炸裂……理屈不要でしっかりと笑わせてもらいました。

芝居に対しての反射神経の鋭さが、台詞にも所作にも完璧に活かされて、何というか“天才肌”だよなあとしみじみ。

終演は14時、劇場から出れば陽盛りの午後であった。

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