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申話§七月大歌舞伎~三番叟?~ [歌舞伎]

七月大歌舞伎夜の部『裏表太閤記~千成瓢薫風聚光~』を観てきた。1981年に三代目猿之助が上演した舞台を大幅改訂しての再上演。

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うーん……おもしろかったか、楽しんだかと聞かれたら首を傾げてしまう。第一幕は光秀の本能寺謀反、第二幕は秀吉の高松城水責め、それぞれにまつわる舞台で、一応の歴史的経緯は頭の中に入っていたので何とかなったが、さて、芝居としての完成度がどうかと聞かれたら、首を縦に振ることはできない。

時代物として観るなら台本が薄くて全体に厚みが感じられず、先を見通しにくく、捉えどころがないと感じてしまった。三幕それぞれが1時間、1時間20分、50分と長く、もう少し台本を刈り込めばテンポ感のある舞台になってくれたのではないか。

さらに……第三幕が孫悟空登場という意味不明なと思いきや、何ことはない猿と呼ばれていた秀吉から引っ張ってきたという強引さに加えて、三幕後半は、夢から醒めた秀吉が、三番叟を踊るという意味不明な幕切れ。

力技と言えなくもないが、記憶に残っている見せ場が、本水と宙乗りでは、いささかな企画倒れではなかったか。

幸四郎の秀吉、染五郎の鈴木孫市、白鸚の大綿津見神、松也の光秀、ほか。板付きで登場の白鸚は、さすがに老いが目に立つ。それに比べて94歳の寿猿が舞台上を動き回って、台詞もはっきり聞こえてきたのは驚異的である。

追記:七月大歌舞伎は、昼夜とも宙乗りがあって、さすがに「食傷した」とお冠なのは、某演劇評論家の今月の歌舞伎評

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