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盛話§個人商店の継承 [日本]

世の習いとはいえ、後継者がいない個人商店は消滅してしまう。どれほどの評判の店であっても、これは宿命であるとしか言いようがない。

世間にチェーン系の店がはびこる大きな理由の一つがこれではないだろうかと思っている。

地方都市におけるシャッター商店街の惨状もまた、郊外の大規模ショッピングセンターの隆盛もあるが、少子化による後継者不足も理由ということであろう。

それがたとえ都心部にある神保町古書店街もまた例外ではなく、伝統ある古書店が閉まっていく様を目にしてきたのだ。

だから気がつくと、神保町のメインストリートである靖国通りに目立つのは閉店した古書店の後に店開きをする一攫千金を狙ったとしか思えないラーメンの店だったりする。

半世紀ほど神保町ウォッチをしてきた中で、古書店以外の個人商店の閉店もまた何軒も何軒も見てきて、それらがどれほど優れた仕事をしていても、うまい食事を提供していても、継承が途切れてしまうくやしさを繰り返し見てきたのだった。

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そんな中で何度も書いてきたことだが、1909年に創業して既に百十年を超えた老舗ビアホールのランチョンは、四代目が健在。そして後継者の心配もなく、五代目が待ち構えているのだ。

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