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転話§ニーベルングの指環がディスク一枚で [クラシック]

四夜で演奏時間15時間に及ぶワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』を、直径12cmのたった一枚のディスク(ブルーレイオーディオ)に収めて発売されるという。

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40年ちょっと前にCDが発売された時、ベートーヴェンの第九がCD一枚に収録されたことに人々は驚いたが、これはもはや、そうした領域をはるかに凌駕してはいないか。技術はここまでデータを圧縮できるようになった。

日本のリスナーの多くは今だにディスク信仰を持ち続けていて、だから自宅に“ブツ”としてのCDをコレクションすることで“安心”している節がある。まさに唯物信仰そのものである。

だが、欧米世界では、ディスクを所有するよりもサブスクでデータを外部から取り込むディスクレスが浸透してきている。事実、ドイツ&オーストリアを旅行する時に借りたレンタカーだが、最後の3年ほどは、カーオーディオにCDプレイヤーは装備されておらず、iPod touchやiPadなどのメディアを接続して音楽を再生するようになっていて驚いた。

自分自身は、そうした状況までは何とか対応することができたが、いよいよ現実は想像の域を超えてしまった。そんな15時間のディスクを再生し嬉々として聴くような気力はないし、そうした再生装置を新たに誂えるつもりも持ち合わせてはいないのだ。

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