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週話§土曜流転~昔はスナックで~ [酒]

スナック……軽食のことではない“スナックバー”のことである。

繁華街ではなく、住宅街の一角にひっそり、素人に毛が三本の人たちが営んでいて、お約束は薄い水割りに、つまみといえばナッツや柿の種みたいな乾きものか、せいぜい炙ったあたりめ……マヨネーズに少し醤油を垂らしたのが付いてくるとか。

そんなスナックが流行ったのは1970年代から80年代だっただろうか。宮仕えが始まり、配属先の上司によく連れていかれたのは深夜のスナックだった。

呑み屋などが立ち並ぶ表通りから、路地裏に入って奥まったところの行きつけのスナックなのだ。

仕事が終わるのは日付が変わる頃。そこから呑み始めるから。お開きは深夜2時、3時……よくもまあ体力があったものだとは遠い眼である。

もっとも、自分からスナックのような酒の店に行くことはなかったのは、そうした店のあり様が好みではなく、呑みに行く時は居酒屋のような店を選んでいたからだ。

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