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愉話§レパートリーは広がったか [クラシック]

クラシックを聴くようになって、そろそろ60年になるようだ。そして今だにレパートリーが超レベルに狭いままである。どうやらこのままお迎えが来そうだ。

結局のところ基本は、バッハに始まるドイツ&オーストリア系音楽で、それ以上には広がりを見せることはなかった。つまり、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ワーグナーにリヒャルト・シュトラウスで8割がたを占めて、残りいくらかをドビュッシーやラヴェル、プーランクといったフランス系、そして少しショパンを聴き、現代音楽と呼べるものは、せいぜいストラヴィンスキーのバレエ音楽どまりである。

そんな狭い範囲での嗜好でしかないが、それでもこの20年ほどで、辛うじてレパートリーは広がってくれた……と言っても、上に書いたドイツ系作曲家の作品がほとんどなのだが。

20年近く通い詰めた、オーストリアの小さな室内楽の催しに出かける内に、自然と室内楽に親しめるようになった。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲だったり、シューベルトのピアノソナタ、そしてシューマンやブラームスのピアノと弦楽器のための作品とか。少しばかりだが幅は広がってくれた。

ワーグナーには喰いついて、数回のバイロイト詣もしたけれど、結局は中途半端な掘り下げすらできずに終わってしまうようだ。まあ……耳さえ喜んでくれればいいだけの話ではあるのだが。

あ、そしてブルックナーとマーラーには届きませんでした(笑

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