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提話§山根一仁~バッハの無伴奏~ [クラシック]

桜散る4月土曜日の午後、武蔵野市民文化会館小ホールで、若手ヴァイオリニスト山根一仁がバッハの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を演奏するというので聴いてきた。

14時開演、20分の休憩を2回挟み、終演は17時15分という長丁場である。

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無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番 g-moll BWV1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ1番 h-moll BWV1002

**********************休憩**********************

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ2番 a-moll BWV1003
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ2番 d-moll BWV1004

**********************休憩**********************

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ3番 C-Dur BWV1005
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ3番 E-Dur BWV1006

↓チケット代は千円也!
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ステージ空間には何もなく、ヴァイオリンとその演奏者が聴衆と対峙する構図である。不思議なもので、あの譜面台ですら奏者と客を隔てているように感じることがあるので、ここまでの雰囲気は自分的には珍しい。

出を待つ間、袖から調弦する音がまったく聞こえず、ステージでもまったく調弦をしないで演奏を続けるというのはなかなかできないことではないか。確かヨーヨー・マ(チェロ)もステージ上では調弦をまったくしなかった。

演奏は、奇をてらわず、けれん味もなく、正面からバッハと向き合い、かつ自己主張もはっきりと聴いてとれるもの。曲間で調弦をしないから、あまり間をおかずに演奏していくから、客席の緊張感も良好に保たれたように思われる。

ノンヴィブラートのピリオド奏法にしてはらしい臭さもなく、豊かなニュアンスで6曲飽きずに聴き通すことができたのは演奏者の力量ゆえであろう。

ただ、6曲目、最後に演奏されたホ長調のパルティータは疲れもあったからか、ディテールがはっきりしなくなって弾き飛ばしたのではと感じた。帰り道、同居人が「シャコンヌと並んで一番聴かれる曲だから、普通に演奏しようとか思わなかったのでは」というような感想を言ったが……同感である。

バッハの無伴奏ヴァイオリン曲を全曲聴き通すという稀有な体験は、山根一仁の稀有な集中力の賜物によるものだった。

バッハは偉大なり!

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