民話§その昔「帰れ!」コールが [フォークソング]
フォークソングがブームになったのは、もう半世紀前のことになっていた。
けっこうな盛り上がりを見せつけたブームだったが、ちょうど実家暮らしで高校に通っていた頃がピークにあたっていて、しがない田舎町であっても、一か月おきくらいに、ヒットメーカーのフォークシンガーたちがやって来てはコンサートが開かれていたのである。
そんなコンサートで、何とも幼稚なやり取りが繰り広げられたことを記憶しているのだが、それは舞台に登場した歌手に向かって、客席の方々から……
帰れ! 帰れ!
……と飛び交っていたのだ。
この意味不明な“挨拶”とも言えぬコールが、どのようにして始まったのか定かではなく、時には「じゃあ、帰る!」と怒って、本当に帰ってしまった歌手もいたと記憶している。
何というか、今にして思えば微妙な“アンビバレンツ”的な空気が存在していて、それが帰れコールとして表出したということなのだろうかと想像するが、実際はさしたる動機などなかったのは間違いなく、とにもかくにも意味不明で不思議な“風物詩”として、訳若布なまま消え去ってしまったのだ。
《昭和のトピックス一覧》
けっこうな盛り上がりを見せつけたブームだったが、ちょうど実家暮らしで高校に通っていた頃がピークにあたっていて、しがない田舎町であっても、一か月おきくらいに、ヒットメーカーのフォークシンガーたちがやって来てはコンサートが開かれていたのである。
そんなコンサートで、何とも幼稚なやり取りが繰り広げられたことを記憶しているのだが、それは舞台に登場した歌手に向かって、客席の方々から……
帰れ! 帰れ!
……と飛び交っていたのだ。
この意味不明な“挨拶”とも言えぬコールが、どのようにして始まったのか定かではなく、時には「じゃあ、帰る!」と怒って、本当に帰ってしまった歌手もいたと記憶している。
何というか、今にして思えば微妙な“アンビバレンツ”的な空気が存在していて、それが帰れコールとして表出したということなのだろうかと想像するが、実際はさしたる動機などなかったのは間違いなく、とにもかくにも意味不明で不思議な“風物詩”として、訳若布なまま消え去ってしまったのだ。
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