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甘話§祖母の実家は和菓子屋 [和菓子]

父方の祖母は、小田原の在から北関東外れの町へ流れてきた宮大工の祖父にどうもナンパされたようで、結婚する前に父の姉(伯母)を産んでしまったという弾けっぷりだった……今からちょうど百年前のことである。

祖母の実家は、その当時は知らないが、我が身が生まれた時には、町で一番大きい和菓子屋を営んでいて、彼女の姉妹兄弟の数も多く、何人いたのか正確には知らないのだ。

そんなおかげで、幼かった身にとって親類筋の和菓子屋は、ありがたい存在なのだった。

時たま店に顔を見せると、大伯母が喜んで色々とお菓子を食べさせてくれたのだが、一番にうれしかったのは洋菓子も作っていて、そんなカステラの切れ端を袋一杯にもらうことだった。この時、カステラは本体よりも切れ端のほうがうまいことを知ったのである。

かくして、酒が呑めない未成年の頃はそこそこに菓子好きだった。それで、大学4年の就活の時期に、何を血迷ったかわからないが、ふと和菓子好きが首をもたげて、老舗和菓子屋に応募してみようかなどと……結局は実行に移すことなく終わったけれど、あるいはそんな仕事に携わってきたかもしれなかったのだ。

追記:なお祖父は、とんでもない大酒呑みであったらしく、朝からぐびぐびというのも珍しくはなかったようで、ある日軽く咳払いをした途端に、脳の血管が切れてあっという間に死んでしまったと……父が10歳くらいの時のことである。

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