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幕話§明治生まれを見届けられるか? [老化]

11月の半ば、1911年(明治44年)生まれの国内最高齢男性が111歳で逝去した。

明治という元号は明治45年(1912年)7月30日で終了するので、現実的に明治生まれの人たちがここ何年かの内にこの世を去っていくのは間違いないだろう。どうやら、昭和前半生まれの我が身は“明治の終焉”を見届けることになりそうだ。

祖母は1900年(明治33年)の生まれで、物心がついたあたりでも明治生まれの人がごろごろと普通に生きていた。

祖母が今の自分の年齢だった時は、思春期の中学2年だったが、ずいぶんと彼女が歳をとった“おばあさん”だったことを覚えている。洋服はまったく着ておらず、頭が痛い時など梅干しをちぎってはこめかみに貼り付けていたような世代なのである。

そんな祖母が亡くなったのは1985年、85歳の時だった。晩年は認知症が進んで、誰が誰だかわからなくなり、時折会いに行った時は、ただただニコニコしていたことを思い出す。

そしてまさに“……明治は遠くなりにけり”を実感しているところである。

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