街話§神保巷塵[93]餃子三幸園の在りし日 [神保町]
[承前]
宮仕えの37年半の間、足繁く通った店といえば、まず第一位にランチョンを挙げる。そうして、神保町の食生活がどんどんカジュアル化していった中、白山通りの餃子三幸園通いの比率も上がっていったのである。
特に、まだまだ食べられる年齢だった四十代半ば頃までは、けっこう元気に呑めたし食べられたしで、三幸園を楽しんでいたのだ。
仕事が終わり、さあ!っと店に入って、生ビールを注文しつつ、焼き餃子に加えて、もやし炒め、あるいは肉野菜炒めを頼む。その頃は食欲も酒欲も旺盛にあったので、餃子と炒め物を前に生ビールを3杯、その後に、紹興酒を二合もらって大満足……ケロリとした顔で帰宅していた。
最後に、半チャンラーメンにするか、野菜たっぷりの湯麵か味噌ラーメンで締めるという……今考えれば、よく完食していたものだと思うのだが。
それがまあ五十代も半ばを過ぎると、すっかり食欲も枯れて、最初に頼むのは焼き餃子一皿のみ。そして生ビールは2杯に紹興酒が一合。そして最後、調子がよかったら半チャンラーメンを頑張れるが、半チャーハンでも満足できるようになってしまった。もう“あの日”が還ってくることなどはない。
[続く]
《神保町のトピックス一覧》
宮仕えの37年半の間、足繁く通った店といえば、まず第一位にランチョンを挙げる。そうして、神保町の食生活がどんどんカジュアル化していった中、白山通りの餃子三幸園通いの比率も上がっていったのである。
特に、まだまだ食べられる年齢だった四十代半ば頃までは、けっこう元気に呑めたし食べられたしで、三幸園を楽しんでいたのだ。
仕事が終わり、さあ!っと店に入って、生ビールを注文しつつ、焼き餃子に加えて、もやし炒め、あるいは肉野菜炒めを頼む。その頃は食欲も酒欲も旺盛にあったので、餃子と炒め物を前に生ビールを3杯、その後に、紹興酒を二合もらって大満足……ケロリとした顔で帰宅していた。
最後に、半チャンラーメンにするか、野菜たっぷりの湯麵か味噌ラーメンで締めるという……今考えれば、よく完食していたものだと思うのだが。
それがまあ五十代も半ばを過ぎると、すっかり食欲も枯れて、最初に頼むのは焼き餃子一皿のみ。そして生ビールは2杯に紹興酒が一合。そして最後、調子がよかったら半チャンラーメンを頑張れるが、半チャーハンでも満足できるようになってしまった。もう“あの日”が還ってくることなどはない。
[続く]
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