SSブログ

戯話§八月納涼歌舞伎第三部~團子と染五郎~ [歌舞伎]

先週の金曜日、まずは第三部を観てきた。東海道中膝栗毛『弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ)』で、2016年に始まったシリーズは2019年まで4作、2018年は観損なったが、馬鹿馬鹿しいと思いつつ馬鹿馬鹿しいお笑いで納涼したいというつもりもあり、コロナ禍による2年のブランクを経ての再開。

2208_kabukiza.jpg

さて、舞台の幕が開くとそこは鬼界が島ではなく“奇怪な島”で、設えもまた『俊寛』のもじりで、さらにしょぼくれた俊寛のこしらえで弥次郎兵衛が登場……それだけで沸く客席。やって来たのは御赦免船ではなく、海賊船。そいつを奪い取った弥次喜多は長崎へ。その後『夏祭浪花鑑』をもじったりもしたが、散発的と言えなくもない。

いちいち筋を書くのも長ったらしくなるので、ここからは感想。いやもう、これはひどい(=馬鹿馬鹿しい)。でまあ、その馬鹿馬鹿しさを観に来たのでそれはいいのだが、何だかまとまりに欠けるなあと、とっ散らかした揚句、最後は宙乗りでカタルシス。

ただまあ、やはりというか歌舞伎であってもこの手の芝居には、芯で動かす演出家みたいな存在があってもいいだろうとは、今さらながらではあるが。

今回、幸四郎の息子染五郎と、中車の息子團子が二役早替わりで働かされたのはいいが、その分父親(幸四郎)と従叔父(猿之助)の存在感が薄くなったような気がした。というわけで、もう一度繰り返すが、あれだけの出演者が登場してくるのだから、やっつけ仕事でない演出家がいてほしいと思った。

幸四郎、染五郎、猿之助、團子の4人が宙乗りするのだと思っていたら、歌舞伎俳優最長老93歳の市川寿猿が、一人お先にゴンドラに乗り、三階鳥屋に消えていったのである。

《歌舞伎のトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。