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化話§三月大歌舞伎~仁左衛門の河内山~ [歌舞伎]

3月9日、仁左衛門が体調不良で休演となった最初の日に『河内山』を観ることになってしまった。そんな初日の舞台は、今さらながら“ガタガタ”で務める役者もきつかったことだろう。そして観る側にしても、黙阿弥の台詞劇を観た気がしなかったのである。

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というわけで、どうしようかと考えた結果、先週土曜日のチケットがあったので、いつもより高い席だったが観なければ後悔すると考え、思い切ったのだ。

かくして、それぞれが“本役”に戻っての千秋楽近い『河内山』を堪能してきた。冒頭、質見世での第一声の凛として張りのある仁左衛門の声で、一気に舞台が締まったと感じる。

そして松江邸で松江出雲守をやり込める場面の、颯爽とした色気は仁左衛門ならではの味わいか。

双眼鏡でアップして見ると、これほどまでと思わせるほど細かく表情を付けていることに気がつく。3階席から見下ろした時と、舞台と同じ平面である1階席後方からとでは、見え方がまるで違うことに驚かされた。

そして幕切れ、大音声の「ばーかめ!」にすべては集約され、細やかにして豪快な偽高僧は意気揚々と花道を去っていく……観てよかった。こうでなければというあれこれが、これすべて腑に落ちたのである。仁左衛門見事!

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