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金話§ギザ十の人 [昭和]

1951年から1958年にかけて製造発行された10円玉の縁には、溝が彫られて、通称“ギザ十”と呼ばれている。

我々の世代はジャストのタイミングでギザ十の人たちなのだ。小学校低学年の子どもにしてみたら、小遣いにもらう十円玉が今の千円くらいに感じられたりもしたのだ。

たぶん一週間に10円か20円……50円というのは、もう少し後にあってのことだと思われて、その10円をいかに有効活用するかが切実な問題なのだった。

当時、駄菓子屋行けば5円くらいから商品があって、それが小袋に入った小豆の甘納豆だったり、ちょっと太めのストローに入ったゼリーだったりと、他愛のない菓子類だったが、家に用意されているおやつの菓子とは違って、自分で選択できることを楽しんでいたのだ。

時には一日か二日か買い食いを我慢して小銭を溜めると、駄菓子屋の一角に夏はかき氷、冬はもんじ焼きが開かれ、20円くらいのいちごかき氷やら、もんじ焼きの鉄板を囲んで、ちょっとした贅沢を満喫するのだった。そして、手には“ギザ十”が握りしめられていたのである。

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