潤話§尾瀬文月往還[4]尾瀬ヶ原下田代 [尾瀬]
[承前]
龍宮小屋でのコーヒータイムが終われば、後は下田代十字路の弥四郎小屋に向かうばかりである。ここまでで歩いた距離は8km足らず、下田代十字路まで歩けば、おおよそ10km歩くことになる。そして下田代までは30分ほどだ。
半世紀近く前、下田代十字路の山小屋でアルバイトしていた時、眼の前には下田代の湿原が拡がっていて、それだけでも幸せなことだった、それがこの2、3年というもの、尾瀬ヶ原を西から東でゆっくりと歩く余裕が生まれ、それで上田代の湿原と池塘のおもしろさに惹かれるようになったのである。
それからすると下田代一帯は木道から見える池塘も少なく、ただの原っぱ感が強いと感じてしまうのだ。
龍宮小屋から15分で六兵衛堀を渡る。昔はもう少し水量が多くて、イワナが悠々と泳いでいたような気がするが、植物が生い茂るようになって、流れとしてはいささか窮屈になったと感じる。
そして下田代十字路の弥四郎小屋まであと15分……湿原に咲いているのは、小さなピンクのトキソウや紫のサワランで、尾瀬ヶ原ではこれらが目に立つ花で、下田代にもニッコウキスゲの姿はほとんどなかった。
気がつけば下田代十字路の山小屋群までもう一息。
[続く]
《尾瀬のトピックス一覧》
龍宮小屋でのコーヒータイムが終われば、後は下田代十字路の弥四郎小屋に向かうばかりである。ここまでで歩いた距離は8km足らず、下田代十字路まで歩けば、おおよそ10km歩くことになる。そして下田代までは30分ほどだ。
半世紀近く前、下田代十字路の山小屋でアルバイトしていた時、眼の前には下田代の湿原が拡がっていて、それだけでも幸せなことだった、それがこの2、3年というもの、尾瀬ヶ原を西から東でゆっくりと歩く余裕が生まれ、それで上田代の湿原と池塘のおもしろさに惹かれるようになったのである。
それからすると下田代一帯は木道から見える池塘も少なく、ただの原っぱ感が強いと感じてしまうのだ。
龍宮小屋から15分で六兵衛堀を渡る。昔はもう少し水量が多くて、イワナが悠々と泳いでいたような気がするが、植物が生い茂るようになって、流れとしてはいささか窮屈になったと感じる。
そして下田代十字路の弥四郎小屋まであと15分……湿原に咲いているのは、小さなピンクのトキソウや紫のサワランで、尾瀬ヶ原ではこれらが目に立つ花で、下田代にもニッコウキスゲの姿はほとんどなかった。
気がつけば下田代十字路の山小屋群までもう一息。
[続く]
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