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懐話§昭和三十年代~呼び出し電話~ [昭和]

[承前]

生まれ育った実家に固定電話が入ったのは1970年のことだった。1960年代においては、まだまだ一般家庭に電話が入っていたことは少なく、商売をしていた家であれば普通に引かれてはいたが、普通の家に引かれるのは遅く、我が家は特に遅いほうだった。

小学校や中学校では学年度が替わって新年度になると、家庭についての調査票が配られて、それにあれこれ記入するのだが、その中に電話番号の記入欄もあって、どうするのかといえば、電話を持っている近所のお宅や事業所、商店にお願いして“呼び出し電話”として使わせてもらっていたのである。

それで何とも親切なことに、呼び出し電話番号を教えた先方から電話が来ると家まで取り次いでくれるのだ。それで、いそいそ電話を受けに伺うのだ。

もちろん、私的な電話を受けるなどと厚かましいことなどしないのは当然のことで、そうしたあたりはきちんと節度を守っていたのだった。

実家に電話が引かれた1970年、我が身は高校1年……ようやく家のインフラの整備がそれなりに完了したと感じたのである。
                               [続く]

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タグ:日常 電話 昭和
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