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演話§歌舞伎役者の年齢~長寿とはいえ~ [歌舞伎]

現在大看板といわれる歌舞伎立役は4人。彼らとて既に齢八十に近くて……

松本白鸚……七十八歳[1942年8月19日生まれ]
尾上菊五郎……七十八歳[1942年10月2日生まれ]
片岡仁左衛門……七十七歳[1944年3月14日生まれ]
中村吉右衛門……七十七歳[1944年5月22日生まれ]

……という並びとなり、今年が歌舞伎鑑賞歴やっと20年の我が身にしてみれば、観始めた頃の彼らが脂の乗った五十代後半だったことに気がつく。だが既にして、こんな年齢になっていたことに驚かされる。しかも吉右衛門は、3月末に心臓発作で倒れて入院。七月大歌舞伎に出演の予定だったが、残念ながら休演が発表された。しっかり養生して復帰を果たしてもらいたい。

こうした大看板が重しとなり、若手が成長して看板役者へと、順調な世代交代が行われるのが理想だが、そうなるべきであった十八代目中村勘三郎は、2012年に57歳で、十代目坂東三津五郎は、2015年に59歳で逝去したのだ。さらに十二代目市川團十郎は2013年に66歳で逝去している。

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彼ら3人の死で、立役の層は一気に薄く頼りないものになってしまい、ここ数年というものは、松本幸四郎、市川猿之助、中村勘九郎といった花形役者の成長をひたすらに待ち望む状況なのだ。

我々のように2001年から観始めた人間にすれば、ある意味で、幸せな時代であったと言っていいかもしれず、その頂点とも言えるのが、2005年2月に観た、人間国宝5人の『野崎村』で、芝翫77歳、雀右衛門85歳、鴈治郎74歳、富十郎76歳、田之助73歳……合わせれば三百八十五歳、平均年齢77歳というしかも年齢を超越した恐るべき舞台だったが、こうして年齢を重ね合わせてみれば、上の立役4人も、そうした年齢にあることに気がついたのだった。

歌舞伎とは、役者の生きていく様をまざまざと見るようだ。

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