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奉話§組合の執行委員を務めて [私事]

四十代前半の1996年から一年間、会社の労働組合の執行委員を務めたことがある。御用組合と呼ばれるほど会社べったりではないが、つかず離れずそれなりに言うべきことは言う、そこそこの組合が組織されていた。

賃上げ交渉といった給与改定の時には、合わせて様々な待遇改善の要求を出して、会社役員会との団体交渉の席に就いたこともある。

もちろん、満額回答とはほど遠い回答書を前に、どこまで粘るべきなのかを執行委員の間で話し合って、二次回答、三次回答まで求めたりもしたのだ。

というわけでメーデーの日には、デモ行進にも参加したり、まじめに組合活動に邁進した一年なのだった。

組合活動について正しいことを知りもせず、間違った想像だけで云々する人も少なくはないと思うが、まずは実態を正しく知るべきだろう。

そんな一年の組合執行委員の経験の中で、ほろ苦い思いをしたことが一度だけあった。仕事をしていた会社は、社員=組合員というユニオンショップ制になっていた。

会社側から、一人の社員が解雇相当ではないかと組合に打診があって、執行委員の間で協議が行われた。事情を確認してみたが、かなり問題があって、解雇せざるを得ないと考えるしかなかったのだ。

社員=組合員という縛りがあるので、会社側から一方的に解雇するわけにはいかず、組合の承諾がなければ解雇できないわけで、そのために執行委員会が開かれて、何とももやもやした協議が行われた。

結論は残念ながら解雇……自主退職の形をとれば、退職金も支払われたはずで、そうしたやり取りもあったのだが不調に終わってしまった。執行委員を務めた一年の中にあって、唯一不本意な出来事だったが、この一件はまた、37年半の在職中に発生した、ただ一つの解雇案件だったのである。

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タグ:私事 会社 組合
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