連話§ワタシの酒肴[157]ハムカツは薄いが吉 [B級グルメ]
[承前]
本来、ハムカツは肉屋の店先でお惣菜の揚げ物のとして売られていたのが、B級系居酒屋の佳き酒肴として御品書に載るようになった。
そんな居酒屋で懐かしいと思って注文するのだが、出てきたハムカツの厚さにがっかりさせられることになってしまう。中にはわざわざ厚切りハムカツなどと麗々しい表現を使ったりもしている。
かつての肉屋で揚げられていたのは、高級なロースハムではなくて、むしろチョップドハムとか呼ばれていた安価なハムが主で、我々の世代にしてみれば、それこそがハムカツなのだった。
だから、厚切りだとかロースハムだとか……ハムカツに高級感を醸し出してどうするのかと毒づきたくもなってしまう。それこそ、5ミリ厚のハムでも厚いくらいで、2ミリか3ミリで十分なのだ。
それくらいの厚さであるからこそ、ハムと揚げ衣が渾然一体となってハムカツの醍醐味が味わえるのであって、ハムが厚かったら、その醍醐味が失われ台無しになってしまうのである。
繰り返しになるが、ハムカツは決して“高級”な存在ではなく、チープ感を楽しむ食べ物なのだ。あくまでもハムカツを食べるのであって、間違ってもハムを食べるわけではない。
[続く]
《酒肴のトピックス一覧》
本来、ハムカツは肉屋の店先でお惣菜の揚げ物のとして売られていたのが、B級系居酒屋の佳き酒肴として御品書に載るようになった。
そんな居酒屋で懐かしいと思って注文するのだが、出てきたハムカツの厚さにがっかりさせられることになってしまう。中にはわざわざ厚切りハムカツなどと麗々しい表現を使ったりもしている。
かつての肉屋で揚げられていたのは、高級なロースハムではなくて、むしろチョップドハムとか呼ばれていた安価なハムが主で、我々の世代にしてみれば、それこそがハムカツなのだった。
だから、厚切りだとかロースハムだとか……ハムカツに高級感を醸し出してどうするのかと毒づきたくもなってしまう。それこそ、5ミリ厚のハムでも厚いくらいで、2ミリか3ミリで十分なのだ。
それくらいの厚さであるからこそ、ハムと揚げ衣が渾然一体となってハムカツの醍醐味が味わえるのであって、ハムが厚かったら、その醍醐味が失われ台無しになってしまうのである。
繰り返しになるが、ハムカツは決して“高級”な存在ではなく、チープ感を楽しむ食べ物なのだ。あくまでもハムカツを食べるのであって、間違ってもハムを食べるわけではない。
[続く]
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