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価話§歌舞伎歴が二十年に [歌舞伎]

我々夫婦の歌舞伎鑑賞歴は2001年11月の平成中村座公演に始まる。それ以前も単発的に歌舞伎座に出向いたことはあったが、本格的にはまり込んだのはその時からである。間もなく鑑賞歴20年となるが相変わらずニワカのまま。

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かなり決定的だったと思われるのは、義経千本桜『いがみの権太』を観た時だった。当時は勘九郎だった今は亡き十八代目中村勘三郎が務めたいがみの権太の“まさに”泣かせにかかる演技にやられてしまった……小さい芝居小屋ならではなかっただろうか。それが始まりということだ。

こうして年が明けた2002年からが本番で、四代目尾上松緑襲名の時には花道外の桟敷席を無謀にも取ってしまったが、その時の『寿曽我対面』で曽我の五郎と十郎が花道を舞台向かう時の衣擦れの音に、これまたやられてしまい病膏肓に入ってしまった。

観始めて思ったのは、もう10年20年早く観ていればということで、歌舞伎が継承される芸、そして円熟へと向かうであるということを思い知ったのだ。歌舞伎好きには鑑賞歴40年、50年などざらにいて珍しくも何ともないから、何も自慢するに値はしない。

今の大看板、菊五郎、白鸚、仁左衛門、吉右衛門、團十郎といった面々は、その当時五十代の半ばにあって、円熟への道を上がっていく最中だった。

ゆえに我が立役は、彼らに集約されてしまう。とりわけ吉右衛門と仁左衛門の充実ぶりは眼を見張るものがあり、彼らが舞台に立つ時は必ずチケットを買い求めることにしている。

そんな中で最大の痛恨は勘三郎と三津五郎の早逝で、彼ら二人については、上記の菊五郎以下に続く立役の要であっただけに、その損失は計り知れないものあり、今現在彼ら二人の穴を埋めるに至っていない。今から5年後、あるいは10年後に、幸四郎や猿之助、勘九郎といった面々がどのような成長を見せてくれるか……既に我が残り人生とのせめぎあいが始まっているのだ。

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