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懐話§昭和四十年代~食べ盛りの頃~ [昭和]

[承前]

今は見る影もなくなってしまったが、食欲旺盛な時代もあったのだ。およそ小学校高学年になったあたりからだろうか。

学校から帰ってくると、おやつ代わりにインスタントラーメンを食べた。親がどこからかまとめ買いしてきた、銘柄も何もなく乾麵がごっそり段ボール箱の中に20個ほどと、粉スープが袋にまとめてという不思議なものだった。

練炭火鉢でラーメンを作るのだが、その前に角餅を1個か2個焼いておく。ラーメンの中に具はないから餅が代わりで、言わば“力ラーメン”なのだ。それが三時のおやつで、ぺろりと平らげてしまっても、晩ご飯はしっかりと何事もなく食べていたのである。

いくら食べてもガリガリの痩せっぽちで、食べても食べても体内に残らず、吸収して溜めこむよりはいずこかへと発散していったのだ。もちろん晩飯にしたって、ご飯はお代わりしていたし。ああ……“痩せの大食い”とかいうやつで、少しのおかずでご飯ばかり食べていた記憶しかない。

今や、昼ごはんに餅を焼いても、せいぜい2個どまりで、気まぐれに3個を焼いた時は、夕方になっても消化しきれずという体たらくなのである。
                               [続く]

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