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譚話§三島由紀夫没後五十年 [日本]

三島由紀夫は1925年(大正14年)生まれ、昭和の年数と年齢が一致するので覚えやすいのだ。生きていれば95歳である。そして50年前の今日、自衛隊市ヶ谷駐屯地に乱入した小説家の三島由紀夫が割腹自殺をした。享年四十五。

当時の我が身は高校1年生で、帰宅したらテレビニュースが大々的に報じていた。翌日登校したら、教室が蜂の巣をつついたかのような騒ぎになっていた。そうした中に、少しばかり左翼に傾倒していた同級生が「ショック」とつぶやいたことが記憶に残っていて……まあ、多感といえば多感なお年頃であったということだ。

彼の作品だが、数冊ほどは読んだことはある。とりわけ『豊饒の海』の噎せかえるような文章に“異界”のようなものを感じたのである。

そして今……あの“騒ぎ”から半世紀が経ってしまった。

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