探話§旨味について日本 [日本]
第五の味“旨味”について気がついていたのは日本人だけではないと思っているが、その旨味を存分に活用してきたのは日本人であろう。
旨味を抽出して旨味調味料“味の素”を作り出したのは、東京帝国大学教授だった池田菊苗で、20世紀初頭のことだった。
日本では、昆布や鰹節、煮干しといった海産物から出汁を取って、それを料理に活用してきたわけだが、欧米の人間がその旨味に気がつかなかったのだろうかといつも思うのである。
ずいぶん昔、イギリスの料理番組で、味噌汁と称して出汁を引かず、味噌を熱湯に溶かしただけの代物を平然とテーブルに出したことを思い出す。
出汁の類というなら、フランス人だって肉や魚から“フォン”と呼ばれる出汁をつくっているわけで、だから旨味の存在に気がついていなかったわけではなさそうだと考えるのだが。
ただ、ここにきて欧米のシェフたちが日本料理における旨味に着目して、新たな地平を切り拓いていこうという強い意志を感じる。
新しい発想が入っていくことで、旨味の別の可能性が生み出されるのではないか……こうして日本料理が様々な人たちの手で、さらに様々なヴァリエーションが展開していってくれることを期待するのだ。
《日本のトピックス一覧》
旨味を抽出して旨味調味料“味の素”を作り出したのは、東京帝国大学教授だった池田菊苗で、20世紀初頭のことだった。
日本では、昆布や鰹節、煮干しといった海産物から出汁を取って、それを料理に活用してきたわけだが、欧米の人間がその旨味に気がつかなかったのだろうかといつも思うのである。
ずいぶん昔、イギリスの料理番組で、味噌汁と称して出汁を引かず、味噌を熱湯に溶かしただけの代物を平然とテーブルに出したことを思い出す。
出汁の類というなら、フランス人だって肉や魚から“フォン”と呼ばれる出汁をつくっているわけで、だから旨味の存在に気がついていなかったわけではなさそうだと考えるのだが。
ただ、ここにきて欧米のシェフたちが日本料理における旨味に着目して、新たな地平を切り拓いていこうという強い意志を感じる。
新しい発想が入っていくことで、旨味の別の可能性が生み出されるのではないか……こうして日本料理が様々な人たちの手で、さらに様々なヴァリエーションが展開していってくれることを期待するのだ。
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