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懐話§昭和三十年代~掛け売り~ [昭和]

[承前]

けっして裕福とはいえなかった我が実家だったが、日用の買い物についてはずいぶんと律義だったような記憶がある。

スーパーマーケットができたのは1960年代後半のことで、それまでは個々の店で買い物をしていた。まずは八百屋だが、家々を回って注文取りに来てくれていた。なので、わざわざ店まで買い物にいくことはなかった。そして、代金は掛け取りになっていて“通い帳”に購入した野菜類と値段が記載されていた。そうして月末に代金を支払うようになっていたのだ。

他に、味噌、醤油、酢の店があって、量り売りになっていた。醤油や酢は、樽に入っているのを店の人が桝に汲んで、持ってきた瓶に入れてくれたのを買った。味噌は経木か何かに包んでくれたのではなかったか。

そうして、いくつかの店を回りながら日常の買い物を済ませていたわけだ。実家から歩いて数分のところにスーパーマーケットが開店したのは東京オリンピック前後のことで、そこに行けばあらかたの用が足りてしまったので、八百屋や味噌、醤油の店とは縁遠くなっていったのである。
                               [続く]

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