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転話§鶺鴒鳴~七十二候~白露 [七十二候]

白露の次候“鶺鴒鳴(せきれいなく)”である。

秋らしく……なってはいないなあ。今年は真夏でも蝉時雨が三割減くらいの音量でしかなかったし、8月も末になった夕方には、蝉さんはさっさと引き上げて“寂として声なし”となり、それからはコオロギの類が後を引き受けて、秋らしい声を聞かせてくれている。

だが、世間の暑さは相変わらず夏のそれ。ただし空は、青さと高さを増し、真夏の入道雲から秋らしい雲へと様変わりしてしまった。

そして夕暮れも釣瓶落としとなって、気がつけば日没時刻もどんどん早く早くなっている。

心理的には、何ともうら寂しい気分の日々が続くのだ。

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