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歴話§男性音楽家のユニフォーム [クラシック]

クラシック音楽を聴きはじめた頃……演奏会に行くと、男性の演奏者はこれ全員が燕尾服に白蝶タイ姿で勢揃いしていた。夜の正装としては最上級で、軽くてもタキシードを律義に着ていたのである。

昼であればモーニングかディレクターズスーツというのが、クラシック音楽界の永年の慣習なのであった。その頃でも辛うじて、指揮者のカラヤンやフルートのオーレル・ニコレといった人たちが蝶タイではなくタートルネックの白シャツでステージに立っていたりしたが、それはごく少数でしかない。

そんな、いわば“堅苦しい”慣習が和らいできたのは21世紀になった頃からではなかったかと記憶している。

特に若い世代の演奏家――声楽、室内楽、ピアノ――たちが、ノーネクタイでステージに立つようになった。ノーネクタイで黒シャツに黒のスーツ、あるいはシャツだけでとか、一気にカジュアル化が進んだように思う。

カジュアル化が進んだ理由の一つに、地球温暖化による気温の上昇があったのではないかと想像している。欧米のコンサート会場だが、新しいホールはともかく、古いホールには冷房設備のないところも珍しくなく、少し前であれば何とかしのげたが、昨今の猛暑の中で正装によるコンサートを行うのは難しいところがある。

蛇足ながら、コンサートやオペラ目当てでドイツやオーストリアに旅行するようになって30年ちょっとだが、この10年ちょっとの間に、保守的といわれるミュンヘンの歌劇場あたりでも、ノーネクタイ姿の客が多くなっていって客席のカジュアル度も進んだようだ。

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