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懐話§昭和四十年代~銭湯通い~ [昭和]

[承前]

実家に内風呂はなかった。なので、生まれてから20年以上は銭湯のお世話になっていた。そして昭和四十年代、小学校高学年頃からは一人で入るようになった。

まだ明るい夕方、早々と一番風呂に入りに行くのだが、客はまだ一人か二人くらいなもので、町内商店街の隠居の爺さんとかがのんびり風呂に浸かっているのだ。

小学校高学年にとっても、銭湯は“遊び場”みたいなもので、浴槽を出たり入ったり、タオルに石鹸をこすりつけ、石鹸箱に被せて息を吹き込んで泡を盛り立ててみたり、他愛のないことをやっていたのである。

銭湯に行く頃合いが、ちょうど大相撲の中継が始まっていて、番台の上に置かれたラジオから国技館の五月場所や、7月の名古屋場所が放送されていて風呂上がりにひとしきり聴くのだった。

その頃からだったか、脱衣所の端っこに牛乳などが入った冷蔵ショーケースが設置されて、風呂上がりの大人がフルーツ牛乳を飲んでいたのだが、飲みたい盛りの子どもは金のありようはずもなく、ぐっと我慢の帰宅後に台所の冷えた麦茶を飲むのがせいぜいなのだ。
                               [続く]

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