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街話§神保巷塵[74]スヰートポーヅ閉店 [神保町]

[承前]

そして悲報は続く……神保町すずらん通りのキッチン南海の閉店に続いて、その斜め前にある餃子の老舗“スヰートポーヅ”が6月10日に突然の閉店である。ボクシングで言えば、右ジャブがクリーンヒットしたその直後、間髪入れずに左フックが横っ面に飛んできたようなものだ。

スヰートポーヅが創業したのは1936年のことで、同じ場所で店が続いていたのであれば、幻の“すずらん通り中華街”の一翼を担っていたかもである。

定年が近づいた頃は行列に並ぶのが面倒だったので行くことはなかったが、それ以前は餃子が好物だったので、けっこう頻繁に足を運んでいた。

そして肝腎の餃子はというと、やや小ぶりで両端が塞がれておらず、辣油ではなく、辛子酢醤油で食べるというものである。普通にある餃子とは微妙に違うユニークな存在だったと言えそうだ。

焼き餃子以外に水餃子と包子も出していて、一度水餃子を注文したことがある。注文したら、いきなり「20分ほどかかりますが」と“できれば注文しないでほしい”的ニュアンスの反応があったが、そのまま注文をお願いした。それで味のほうだが、期待したほどではなかったという記憶である。

その後、水餃子を注文することはせず、ひたすら焼き餃子ばかり食べていたのだった。
                               [続く]

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