街話§神保巷塵[70]職酒近接 [神保町]
[承前]
宮仕えの37年半を、神保町を中心としたごくごく狭い範囲内で過ごした。その経験から導き出されたのは、神保町が実に便利な町であるということだ。
仕事が終わって、さて息抜きに1杯でもと思えば、会社を出てすぐあちこちに呑める店がいくらでもある。もちろん、新宿や渋谷、六本木へと繰り出す人だっていないわけではないが、ちょいと呑んでという店には事欠かない。
↓ビアホールもあれば
若い頃は、そうして足を延ばして呑み歩いたりしたこともないではなかったけれど、四十代、五十代と歳を重ねるごとに、ありがたく近場で済ませることばかりになってしまった。
それでも、いい酒に旨い物が出てきてくれるのだから、神保町は本当にいい町である。
↓カジュアル中華屋もあるぞ
東京のサラリーマンのエリアといえば、大手町、日比谷、霞ヶ関というのがお約束だったりするが、それじゃあ、そのあたりに、会社がはねたらさっと入れるような気軽な店があるか?……ビルだらけのビジネス街ではないか。
そんな彼らが向かうのは、ちょっと離れた有楽町や新橋の呑み屋街だろう。あのあたりでは、仕事と息抜きの場所が分かれてしまって、そんなものだと思っているのだろうが、こちとら神保町族にとっては、渾然一体とした町が形成されているゆえに、職住近接ならぬ“職酒近接”が実現しているのだ。
[続く]
《神保町のトピックス一覧》
宮仕えの37年半を、神保町を中心としたごくごく狭い範囲内で過ごした。その経験から導き出されたのは、神保町が実に便利な町であるということだ。
仕事が終わって、さて息抜きに1杯でもと思えば、会社を出てすぐあちこちに呑める店がいくらでもある。もちろん、新宿や渋谷、六本木へと繰り出す人だっていないわけではないが、ちょいと呑んでという店には事欠かない。
↓ビアホールもあれば
若い頃は、そうして足を延ばして呑み歩いたりしたこともないではなかったけれど、四十代、五十代と歳を重ねるごとに、ありがたく近場で済ませることばかりになってしまった。
それでも、いい酒に旨い物が出てきてくれるのだから、神保町は本当にいい町である。
↓カジュアル中華屋もあるぞ
東京のサラリーマンのエリアといえば、大手町、日比谷、霞ヶ関というのがお約束だったりするが、それじゃあ、そのあたりに、会社がはねたらさっと入れるような気軽な店があるか?……ビルだらけのビジネス街ではないか。
そんな彼らが向かうのは、ちょっと離れた有楽町や新橋の呑み屋街だろう。あのあたりでは、仕事と息抜きの場所が分かれてしまって、そんなものだと思っているのだろうが、こちとら神保町族にとっては、渾然一体とした町が形成されているゆえに、職住近接ならぬ“職酒近接”が実現しているのだ。
[続く]
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